難攻不落の株主 その2
関東地方で製造業を営むI社の話です。
山田一郎社長(仮名)から後継者への事業承継で
相談がありました。
株主構成を見直すなかで、
面倒な株主が1人出てきました。
昔、I社と裁判までして争った株主(川上氏)は、
『I社の株は、絶対に売らない!』
と声を大にして宣言していたのです。
川上氏は、いまはご高齢で90歳近くになっています。
色々と調べたところ、
実はいま病院に入院しており、
いつまで生きられるか、正直わからない、
という状況のようでした。
身の回りは、長男が世話をしていますが、
川上氏から、「I社の株式は売るな」
と言われているようなのです。
私が考えた方法は、2つでした。
1つは、この株式を強制的に買い取ってしまうこと
もう1つは、もう一度、買い取りにチャレンジすること
1つ目の強制的に買い取る方法は、
『スクイーズアウト』と呼ばれる方法です。
I社の発行済株式は、100,000株
問題の川上氏の株数は、100株(0.1%)
でした。
この『スクイーズアウト』という方法は、
株式の単位を変えてしまう方法です。
例えば、1000株を1株とみなしてしまうのです。
単元株(たんげんかぶ)といいます。
となると、川上氏の株数は、
100÷1000=0.1株とみなされます。
つまり、1株未満なので、
「端株(はかぶ)」が生まれるのです。
会社法では、1株未満の端株は、
会社が強制的に買い取ることができます。
そうなれば、川上氏の株を買い取ることができるわけです。
ただし、この方法は、
株主総会の決議が必要なこと
強制的に買い取る場合は、買い取り価格でもめること
などから、手続に時間と手間がかかります。
なので、社長と話し合った結果、
すぐに対策できるもう1つの方法、
もう一度買い取りにチャレンジすること
から、始めることにしたのです。
(次回に続く)
(福岡雄吉郎)
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