銀行交渉をさえぎる人たち ③
銀行交渉を進めるうえで、
障害になるのは、
銀行の担当者や支店長だけではありません。
行く手をさえぎる、さまざまな人がいるのです。
➂ミス・リード書籍の著者
銀行交渉のことを書いた書籍は、たくさんあります。
そのような書籍にも目を通します。
が、時に、
“えっ?”“それは違うでしょ。”という内容に、
お目にかかります。
“無借金経営の会社ほど、イザというときに倒産しやすい。”
“銀行のノルマに協力するのも、社長の仕事”
“資金に余裕があっても、繰上返済をしてはいけない”
などなど。
これらは、小山昇氏のベストセラー書籍にあった内容です。
この3つを忠実に実行するだけで、銀行は大いに喜ぶでしょうね。
“この書籍を読んで勉強してます!”
という経営者がいれば、
それはそれは、銀行はもう、喜んで貸しますよ。
銀行にすれば、このうえない広告書籍、になっているのです。
イザというときのために、不要な借入をしてくれる。
ノルマの融資をお願いすれば、受けてくれる。
資金に余裕があっても、繰上げ返済はしてこない。
こんな会社は、銀行にすれば、一番おいしいお客さんです。
この通りにしていたら、
貸借対照表の総資産は、どんどん膨れ上がります。
借入金が増えますから、当然、元金返済が大きくなります。
ROA(総資産経常利益率)も、自己資本比率も、悪化します。
財務の体力は、衰える一方になるのです。
そもそも、なぜ?無借金の会社には、
イザというときにおカネを貸さないのでしょうか?
そんなこと、本当なのでしょうか?
宮城県の水産会社は各社とも、
東日本大震災で、壊滅的な被害を受けました。
これはまさに、イザというときでしょう。
しかしそのとき、
銀行の緊急融資を受け、業績を回復させた会社があります。
その社長がこう言いました。
“うちは無借金だったので、借りれました。
借金があった同業各社は、どこからも借りれず、みなつぶれていきました。”
これが事実です。
おそらく、イザというときは、売上高が激減するときです。
上記の会社も、震災の決算期は、売上高が3分の1に激減しました。
売上高が下がれば、返済能力が衰えます。
もとから借金があれば、なおのこと、資金繰りの状況は厳しくなります。
そのような事態の時に、銀行は貸したくないのが当然なのです。
それを、イザというときのために借りておきなさい、
というのは、明らかに、財務のミス・リードなのです。
銀行交渉の書籍の多くは、
どうすれば借りれるか、ということを書いています。
それは、銀行が喜ぶようなことをすれば、いいだけです。
そのかわり、銀行に首根っこを押さえられ、
金利、担保、個人保証、保証協会、高い手数料、などなど、
企業体力をどんどん吸いとられます。
そのようなミス・リード書籍に影響されることなく、
会社にお金を残すための銀行交渉を、してほしいのです。
(古山喜章)
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小山は、「俺の言う通りにやって、個人保証や根抵当権外した会員社長がいっぱいいる!」みたいな自慢していますねw
投稿: とおりすがりのオッサン | 2024年3月15日 (金) 10時01分