商工中金不正融資から、銀行員の体質を考える ①
商工中金の不正融資実態解明に、
ついに金融庁が動き始めました。
そこには、
中小企業が銀行交渉のうえで、
教訓としておかねばいけないことが、
詰まっているのです。
①銀行員は、自分の利益を優先する
今回の不正融資は、
企業への融資ノルマに迫られている銀行員が、
企業から預かった決算書を改ざんし、
融資をした、というものです。
同様の行為をする行員が、全国の商工中金で、
約1000人規模でいた、ということで、
大問題になっているわけです。
商工中金は政府系なので、国から資金を割り当てられます。
それが、いわゆる制度融資です。
今回の事件は、
「危機対応融資」という制度融資が対象で発覚しました。
この「危機対応融資」は、
業績が悪化している企業に貸し付けるものです。
つまり、決算書の数字が危機的で悪い会社を、
融資の対象としています。
なので、銀行員は、企業から預かった決算書の数字を、
悪い数字に改ざんしたものを作成し、
社内での融資決裁を受けていたのです。
悪くない数字を悪い数字に改ざんしていた、
ということは、資金を借りなくてもよい会社に、
貸し付けていた、ということです。
政府系であろうと市中銀行であろうと、
支店にも、銀行員にも、融資ノルマが与えられています。
融資ノルマ達成の有無が、
今のところは人事考課に影響しているのです。
銀行員は、人事がすべてです。
出世のマイナス要因がかさめば、
左遷や出向の辞令は、すぐにでもやってきます。
銀行員は、それは避けたいのです。
だから、是が非でも、ノルマはクリアしておきたいのです。
結局、銀行員は、自分の利益を優先しているのです。
ただ、それがどこまで組織的なものだったのか、
というのが、今回の不正調査の焦点なのです。
おそらく中には、某コンサルタントの書籍を持ち出し、
“ここには、一年間売り上げがなくても大丈夫なくらい、
銀行から借りてでも現預金を持ちなさい、とありますよ。”
などと言って、無理やり貸し付けた銀行員もいたのではないか、
と、考えるのです。
そもそも、不要な借入はしない、
という姿勢が経営者にあれば、このような事件には、
巻き込まれていないはず、なのです。
(古山喜章)
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