銀行交渉のカン違い②
銀行を取り巻く環境は変わり、
銀行優位の時代は遠き過去のこととなりました。
しかしながら、あの頃と同じ感覚で銀行交渉をし、
大きな勘違いをされている経営者に、
今も出会うことがあるのです。
②借りることが交渉と思っていた
“ウチは銀行交渉をしっかりやっていますよ。”
といったことを、経営者からお聞きする機会があります。
さらには、
“前期はA銀行から1億、
メガバンクのB銀行からも1億、借りました。
今期も、A銀行からは、短期の継続融資が決まっています。”
などと続いたりします。
で、
“それぞれの借入条件は、どのように交渉されていますか?”
とお聞きします。すると、
“金利はできるだけ低く、個人保証と担保は、
できれば外してください、と言ってます。”
このような返答をいただくことも多いのです。
“言われるがままに借りているのではないですよ。”
というわけです。
“実際に、それぞれの条件はどうなってますか?”
と言って見せていただくと、
金利は高い、個人保証・担保はついている、
ということが、往々にしてあります。
できるだけ低くしてください、
できれば外してください、
というのは、単なるお願いであり、交渉ではありません。
金利であれば、
他社事例や、タイボ+スプレッドなどの知識を、武器にする。
担保・個人情報であれば、これも他社事例や、
金融庁の方針やマニュアルで定められていることなどを、
武器に条件が良くなるように仕向けてゆく。
これが銀行交渉です。
そのような交渉ができず、借りれるかどうか、
が交渉になってしまっている、というケースがあるのです。
結局、“借りないといけない!”ということが頭にありますから、
ハードな交渉はできず、できれば、などと、
控えめにお願いすることになってしまうのです。
これは、交渉を挑む相手に、
わたしは丸腰です、と言っているようなものです。
数日後、銀行員はこう言います。
“できるだけ下げました。”
“個人保証と担保は、本部からのOKが出ませんでした。”
で、その銀行員にとって、いい条件を提示します。
仕入なら、
どこよりも良い条件で仕入れることが、
仕入交渉の成果です。
銀行交渉も、仕入れ交渉と同じなのです。
(古山喜章)
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