だから少人数私募債の金利は高いのです
顧問税理士から、
「少人数私募債の金利3%~5%なんて、高すぎます。」
と言われました、という声を、まだまだお聞きします。
じゃあ何%くらいならいいと言っているのか、
「銀行の借入金利と同じくらいに、と言われました。」
という回答が、本当に多いです。
税理士業界で意思統一でもしているのか、
と思ってしまうくらいです。
少人数私募債と、銀行からの借入では、
金融の種類が異なり、経営破たん時の弁済順位も異なります。
だから、金利が異なるのです。
が、多くの税理士は、そこを理解していないようです。
今回、タカタが民事再生法適用を申請しました。
同時に、タカタが発行していた社債約300億円は、
債務不履行、要は、償還できなくなりました。
ほぼ、パーになったみたいなものです。
今後は、再生計画のなかで、負債に優先順位をつけます。
で、全額は無理であっても、負債を弁済してゆきます。
社債や少人数私募債は、弁済順位の低い、劣後債です。
経営破たん時の優先順位は、低くなるのです。
なので、タカタの社債300億円は、
弁済率は10%~20%くらいだろう、
と書かれています。
社債を引き受けた額の、1割か2割しか、返ってこないのです。
それとて、今のところはどうなるか不明です。
なので、リスクが高い債権なのです。
だから、金利が高いのです。
出資性が強いので、「資本性借入金」と呼ばれているのです。
そのことを理解せず、多くの税理士は、
損益計算書に通常発生している、銀行金利の支払利息だけを見て、
「その金利は高すぎる!」と言うのです。
そんな税理士には、
「少人数私募債は、資本性借入金ですよ?
ご存じないのですか?」
と、言ってみてほしいのです。
(古山喜章)
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