給与激減でもNGです
先月、役員退職金に関して、
とある裁判がありました(東京高裁)。
「役員退職金を支払ったのに、
実質的に退職していない!」と
税務調査で指摘され、結論、会社が敗訴しました。
この会社の場合は、
役員退職金をもらった代表取締役社長は、
取締役相談役になりました。
会社側の言い分としては、
「前社長の役員報酬は、
退任前の205万円から3分の1に相当する
70万円に引き下げられて激減させた。
会社の経営について、前代表者が指導助言を行ったのは、
新社長は経営全般に関する経営責任者としての
知識や経験等が不十分だったから。
新社長が自ら単独で経営判断を行うことが
できるようになるまで、期間限定で経営に関与していただけだ。」
というような理屈でした。
しかし、
・前社長が幹部会議には引き続き出席し、
個別案件の経営判断にも影響を及ぼしうる地位にあった
・10万円を超える支出の決裁にも関与していた
・法人の資金繰りに関する窓口役を務めるなど、
主要な銀行から実権を有する役員と認識されていた
・営業活動で会社を不在にすることが多かった新社長に代わって、
来客対応を行っていた
など、対外的な関係においても、
経営上主要な地位を占めていたと認定されたのです。
給与を激減させれば退職金をもらえる、
と勘違いされる経営者もいらっしゃるのですが、
そうではありません。
退職するという判断を、
軽く考えてはいけないのです。
(福岡雄吉郎)
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