中間決算の時期です⑬
⑬期末現預金残高の引き締めを図る
現預金も、現金の在庫です。
年度末の現預金残高は、最小にしておきたいのです。
例えば、小口現金です。
店舗や事業所が多い場合、
それぞれに小口現金を置いている、という会社が、
まだまだ多いです。
しかし、小口現金という形で、現預金が分散している、
ということは、各事業所で余剰資金があるということです。
資金活用の効率が非常に悪い、ということなのです。
「年度末にこれだけ現預金があれば、
借入金を少しでも返せばいいじゃないですか?」
「いえ、これは、各事業所に小口現金が分散しているだけで、
本部には返せるほど多くは、ないんですよ。」
などということがあるのです。
だから、本当は、小口現金をやめてほしいのです。
しかし、どうしても辞めれない、という声もあります。
それなら、年度末の半月や1ケ月だけでも、
小口現金を、一旦本部に引き上げれないのか、ということです。
年度末の前にいったん引き上げ、借入金を少しでも減らす、
支払いの資金にあてる、など、してほしいのです。
新年度に入って、どうしてもまた必要ならば、
新たに借りて、小口現金を持たせればよいのです。
それでも、年度末決算の現預金を減らし、
総資産を圧縮させることが、できるのです。
自己資本比率も、総資産経常利益率(ROA)も、
上がるのです。
貸借対照表は、年度末の1日の資産残高です。
その1日の数字が、のちのちの銀行交渉や、
業界や取引先からの評価に、影響するのです。
その1日のために、中間決算を終えたころから
年度末の現預金引き締めの、準備を始めてゆくのです。
銀行員の姿を思い出してください。
彼らは、年度末や中間期末のたった1日のために、
深々と頭を下げ、瞬間的にでも、融資額を増やそうとしています。
その瞬間風速の数字が、金融庁の評価に大きく影響するからです。
「決算」というものにかける、あの姿勢と行動には、
みならうべきものがあります。
現預金残高は、決算日を過ぎると、
手のうちようがなくなります。
中間決算を終えた時点から、年度末の目標額を見すえ、
関係部署や金融機関に根回しを行い、進めてほしいのです。
(古山喜章)
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