中間決算の時期です④
④実棚卸をして、中間決算の業績を明確にする。
「今年も半期が終わりましたが、業績はどうですか?」
と社長にお聞きします。
で、中間決算期にまとめたという資料を見せてもらいます。
その資料を見ていると、
「棚卸が加味されていないので、実際の数字とは違うと思います。」
とおっしゃる社長がいます。
「どういうことですか?」とお聞きします。
「棚卸は、前期末の数字をそのままいれてますので。」
「えっ?ひょっとして、
中間決算の月末に、棚卸をしていないんですか?」
「実は、そうなんです。」
「じゃあこの数字を見ても、正しい業績がわからないじゃないですか!」
ということが、あったりするのです。
中間で決算を組むとは、年度の半分のところでの、
業績状況を確認したいからです。
業績状況とは、当然、原価率と売上総利益率を含みます。
原価率を計算するには、その期間の原価の数字が必要になります。
原価は基本、次のように計算します。
前期末棚卸高
+当期上期仕入高
-当期上期末棚卸高
つまり、
上期末の棚卸高がないと、正しい原価がつかめないのです。
「どうして棚卸をしていないんですか?」と尋ねます。
「倉庫が広くてアイテムも多く、手間がかかりますので・・・。」
「店舗数が多いので・・・。」などとおっしゃります。
倉庫が広くアイテムが多いのなら、上期末に向けて、
1週間なり、半月なり、時間をかけて実施しても構いません。
上期末最後の日にすべて実施する必要は、ないのです。
で、その後に仕入れたものを、
在庫に計上するなど、すれば良いのです。
要は、一度にやりにくいのなら、
まずはせめて、計画的に実施すればよい、ということです。
中間で決算を行うとは、売上総利益のみならず、
その時点での営業利益や経常利益を、確かめておきたいのです。
そのうえで、次の年度末に向けて、打つべき手を確認したいのです。
なのに、棚卸が実際に行われていなければ、
中間決算の数字といっても、意味がないのです。
業績の確認のしようがないのです。
で結局、
「まあたぶん在庫がこれくらいだろうから、利益はこれくらい。」
などという、憶測の数字になってしまうのです。
それが正しければいいのですいが、往々にして、外れます。
業績数字に対して厳しい会社で、
年度末しか棚卸をしていない、という会社はありません。
逆に、年度末しか棚卸をしないというのは、
業績数字に対しての、厳しさに欠ける会社なのです。
中間決算を行う際には必ず、実棚卸を行ってほしいのです。
(古山喜章)
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