中間決算の時期です⑨
⑨借入先の銀行に業績予測を報告する
中間決算が確定したら、
融資を受けている銀行の支店長クラスに報告します。
加えて、
年度末の予測決算数値や、今後の資金需要計画を伝えます。
「えっ、先生方は普段あれだけ銀行を悪く言ってるじゃないですか?
なのに、そんな報告、したほうがいいんですか?」
と言われます。
確かに悪くは言っていますが、
それでも銀行は有力な資金調達先です。
現状融資を受けているなら、報告してほしいのです。
そうすることで、銀行にとって、
「やっぱりこの会社とは取引をしておきたい。」
と感じてもらいたいのです。
銀行とは、厳しい交渉をするべきです。
しかし、それでもなお、より良い条件を引き出せるのは、
銀行にとって、取引を継続したい会社だからです。
例えば、
銀行が気にするのは、貸した先の業績です。
融資の回収に問題があるのかないのか、知っておきたいのです。
そんなとき、
銀行が嫌がるのは、中間決算で数字を見せてもらっていたものの、
期末決算書を見ると、描いた数字とは大きくかけ離れていることです。
「中間の数字には、反映されていない要素があった。」
「下期に想定外のことがあって、売上高が大きく未達だった。」
など、社長からの言い訳ばかりを聞かされます。
それが毎年続けば、銀行はその会社に安心できません。
銀行も、「あの会社は大丈夫」という安全・安心を求めているのです。
中間決算の報告をしていない、あるいは、
中間決算や業績予測の数字があてにならなかった、としたら、
銀行員はどう思うかです。
他の銀行と条件を競い合った際に、
「まあ、あの会社にそこまで条件を下げることはないか・・・。」
と、厳しい交渉の中では、身を引いていきます。
で、
「いや、もう、これがせいいっぱいの条件なんです。
申しわけありません・・・。」
などと言われてしまいます。
しかもそれが、金利0.8%くらいだったりします。
それは遠回しに、
「おたくとは、これ以上つきあいたくないです。」
と言われているのと同じなのです。
銀行にとって、客筋のいい会社であることは、
結局のところ、銀行交渉に大きくプラスになります。
その為にも、
中間決算で正しい数字と年度末の予測をし、
融資先の銀行に報告しておいてほしいのです。
但し、業績以外のことを、
必要以上に伝え過ぎないよう、気を付けてください。
(古山喜章)
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