M&A実例④
2つの会社から立て続けに、
M&Aの相談がありました。
そのうちの1社、
A社は、M&Aで会社を買う立場にあります。
A社が買おうとしている会社は、
アメリカ西部にある会社です。
A社から依頼を受けて、
デューデリジェンス(資産査定)、
つまり会社の価値を計算しに出張しました。
「海外の会社の価値なんて、
どうやって計算するのですか?ややこしそうですが!」
と言われましたが、
会社の価値を計算する方法は、
日本でもアメリカでも、世界中どこであっても、
根本的には変わりありません。
資産については、含み損、含み益を持っていないか?
負債については、決算書に計上されていない隠れ負債がないか?
つきつめると、この2つのポイントだけなのです。
もちろん、国が違えば、
税法はもちろん、社会保障など色々な法律、制度が違ってきます。
特にアメリカでは、州ごとで税率が変わります。
州によっては、消費税がかからないところもあります。
また、退職金についても違います。
日本の場合は、“確定給付型”といって、
退職時に××××円給付されることが確定しています。
いっぽうで、アメリカでは、“確定拠出型“です。退職時ではなく、
在職中に毎月一定額を拠出することが確定しています。
従業員は、それを各自で運用することで、
将来に受け取る給付額が決まります。
いわゆる401Kと呼ばれる制度です。
また、有給休暇については、
日本では2年間で消滅することが多いですが、
アメリカではそのようなことはなく、
退職時に会社が、1時間あたりいくらで買い取ります。
ですから、アメリカでは、『有給休暇引当金』といって、
将来、有給休暇の買取にあたって
会社から出てゆくお金を、貸借対照表の負債に計上するのです。
国が変われば、決算書の形も変わるのです。
(福岡雄吉郎)
【新刊本 発売しました!】
井上和弘の最新刊
『承継と相続 おカネの実務』が発売されました。
オーナー経営に精通した井上和弘が生み出した事業承継対策が満載です!
難しい専門用語は一切なし!多くの実例を示して、
あくまでも社長目線でわかりやすく解説しています。
メールにてお問い合わせの方は、こちらをクリックしてください。
【22000部(第8刷)になりました!】
平成27年1月にダイヤモンド社から発売した、
「儲かる会社をつくるには、赤字決算にしなさい」
がおかげさまで、増刷を重ねつづけ、20000部になりました。
弊社でも、ご注文を受け付けております。
メールにてお問い合わせの方は、こちらをクリックしてください。
« 知っておきたい、生命保険の活用術① | トップページ | 知っておきたい、生命保険の活用術② »
コメント