M&A実例⑦
2つの会社から立て続けに、
M&Aの相談がありました。
そのうちの1社、
P社は、日本国内の市場で戦っています。
厳しい戦いを強いられていますが、
もともと業務提携していた会社の経営者から、
「会社を買ってくれませんか?」と打診があったのです。
P社のM&Aというのは、とてもマレなケースでした。
通常M&Aする場合というのは、
キャッシュリッチな会社が、
会社を買うという場合が多いのですが、
このP社は、キャッシュリッチより、借入リッチの状況で、
自己資本比率が10%前後の状況でした。
P社の社長は、父親から事業を継承し、
毎年数千万円ずつ、こつこつと利益を出してきました。
しかし、過去の土地取得、設備投資の借入負担が重く、
財務的な安定性は低い状態が継続しているのです。
財務的には強くないですが、
P社の社長は、アイデアマンでもあり、営業能力も高いため、
売上、利益は安定して稼げているのです。
さて、今回P社が購入したD社ですが、
実は、P社と状況はまるっきり違っています。
D社の社長は、創業家の人間ではありません。
D社に長らく務めたうえに、昇格した
いわばサラリーマン社長です。
このD社ですが、近年は営業に苦戦しており、
毎年数千万円単位で赤字を出しています。
過去に2度、希望退職を募っていますが、
それでも事業は好転せず、赤字が継続しています。
かれこれ10年近く経常赤字が続いています。
ところが!
この会社、なんと無借金経営なのです。
D社はなぜ無借金なのか、そして、P社とD社、
対照的な2社がなぜM&Aしたのか、
次回に続きます。
(福岡雄吉郎)
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