M&A実例⑬
自己資本比率が10%、借入リッチなP社が、
10年近く赤字を続けているD社を、
M&Aにより子会社化することになりました。
デューデリジェンスを終えて、
D社の会社の株価がゼロだと評価されました。
次のステップは、株式の買取りです。
一番のポイントは、創業者である奥様が保有している
約40%の株式の買取でした。
事前の情報では、株式の買取には、
なんの障害もなく、スムーズに行われるはずでした。
しかし、直前になってこんな話が入ってきました。
大株主は、“現在の社長になら売るけれど、
よその会社には売らないと、言っている“と。
これは困ります。
それでは今までやってきたことが水の泡になります。
調べると、どうも
今回のM&Aを好ましく思わない役員が、
大株主のもとを訪れて、
「会社が乗っ取られる」とか、
色々と吹き込んでいるようでした。
売る側のD社の社長には、
「今回は、買う側P社に株式を売らないと、意味がありません。
大株主を説得してください。
“P社とは昔から一緒に仕事をしてきて、
わが社が生き残る唯一の方法は、
このP社とのM&Aを成功させることだと“
これは、社長の仕事です。」
といって大株主の説得にあたってもらいました。
時間をかけて説得することで、
何とか大株主の説得は得られました。
なんでもそうですが、実際に完了するまでは、
うまくいくかは分かりません。
最後は株式の取得代金の調達です。
ここにもう1つの壁がありました。
(福岡雄吉郎)
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