驚きの融資条件
日々、多くの経営者と接していると、
あっと驚く融資条件をお聞きすることがあります。
「新たな設備投資で、とてもいい条件で借りれました。」
という経営者がおられました。
「どんな条件ですか?」とお聞きしたところ、
「32億を25年の長期です。」
「えっ、25年!」
と思わず大きな声で反応してしまいました。
この最近、15年長期はおろか、
10年の長期でも渋る銀行が多い中、驚きの25年です。
超長期の国債並みの償還期間です。
「で、金利は?」
「はい、1ケ月のタイボに、スプレッド(上乗せ)が0.15%です。」
「ということは、今なら仕上がりは0.19%台ですね。」
「そうです。それに、繰上げ返済あり、担保・個人保証なしです。」
なんと驚きの条件の連続です。
メガバンクではありません。
ある都道府県の名前が付いた、地方銀行です。
当然、メガバンクも融資の条件を持ってきたそうです。
しかし、まったく程遠い内容でした。
その経営者は、
「〇〇銀行の条件はこうなんですけど。」と、内容を伝えました。
メガバンク担当者の答えは、
「申し訳ありません。そこまでは対応できかねます。」とのことで、
「それならしかたありませんね・・・。
今回のお話しはお断りさせていただきます。」
と、経営者は言い放ったのです。
今を遡る10年前、会社を引き継いだその経営者は、
先代が積んだ多額の借入金に苦しんでいました。
今回のメガバンクの当時の担当者には、
顔を合わすたび、嫌な言葉を浴びせられっぱなしでした。
それでもひたすらガマンをして了承する、
という苦しい日々が続いていたのです。
それから10年。
財務の知識を学び、決算書を磨き、
キャッシュフローの力を蓄えました。
会社の財務体質は10年で生まれ変わったのです。
メガバンクの融資提案を断った経営者いわく、
「あのメガバンクに“お断りします。”と言うのが、
一度でいいから言いたかった言葉でした。
気持ちよかったです!」とのことでした。
ちなみに、赤・青・緑のうちの、赤の銀行です。
いかがでしょうか?
財務体質は、変えることができるのです。
体質を変え、銀行交渉の知識を身に着けて挑めば、
驚くべき条件を提案する銀行も現れるのです。
言い換えると、銀行を取り巻く環境はそれほど悪化している、
ということなのです。
(古山喜章)
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