銀行交渉の実務 あの手この手①
多くの経営者と接していますと、
銀行交渉にしても、
「なるほどさすがだな。」と、勉強になることがあります。
①先代を引き合いに出す。
その経営者は、若くして先代から引き継ぎました。
年齢はまだ、30歳代半です。
先代もお元気ですが、自分自身が若くして引き継いだので、
次代も、ということで、退かれたのです。
銀行借入も発生している会社なので、
銀行交渉についてお伺いしました。
「もちろん銀行交渉は、社長がされているんですよね。」
「そうです。年齢が若いからか、
最初は交渉がうまくゆきませんでした。」
「というと。」
「結局、銀行の条件に歩み寄るような形になっていたんです。」
「今もですか?」
「今は状況が変わりました。
財務状況が良くなったこともありますが、先代を引き合いに出してます。」
とおっしゃるにです。
先代は、なかなか豪快な方で、
銀行支店長にも、煙たがられる存在だったそうです。
「具体的に、どう引き合いに出すんですか?」とお聞きしました。
「交渉の過程で銀行が渋い顔をしだしたら、こんな風に言います。」
「どう言うんですか?」
「お前が交渉して銀行がOKと言わないんなら、
俺が交渉する、って、先代が言ってるんですよ。」
当然、銀行交渉のことなど、先代は知りません。
しかし、何かと口うるさかった先代が交渉に出てくる、
というのは、当の銀行支店長らは避けたかったのです。
「異動とかで、支店長も変わるでしょ。」
「そこは地銀の本店なので、異動しない人も多いんです。」
とのことでした。
「そうやって、金利を下げたり、個人保証を無しにしたり、
してきました。」
と言うのです。
「しかし、よくそれだけ考えて交渉してきましたね。」
と感心すると、
「経営道場のブログを読んでいると、
自分もなんとかできないかな、と思って、考えました。」
と、嬉しいことをおっしゃってくださいました。
とはいえ、先代が銀行にとって、
煙たがられる存在だったからこそ、できたことです。
つまり、そのような存在になっていれば、
次世代にも影響力を残せる、ということなのです。
次世代が銀行交渉しやすい環境を残すためにも、
銀行には、煙たがられる存在であってほしいのです。
(古山喜章)
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