はやる気持ちの捺印は危険 ②
何かと気持ちがはやる、あせる、
あるいはまかせっぱなしになる、
ということがあると、大事な捺印なのに、
ノーチェックで押してしまうことが、あるようです。
②税理士事務所も安心できない
ある会社で、数千万円単位の修繕費が発生しました。
災害による復旧修繕費なので、特別修繕費です。
経営者はそのことを、顧問税理士に確認しました。
その顧問税理士は、その会計事務所の所長です。
「これは当然、特別損失ですね。」となっていました。
ところが、決算書ができあがってみると、
特別損失ではなく、しっかり販売管理費に計上されていました。
経営者は連絡しました。
「あれだけ特別損失と言ってたのに、
販売管理費に入ってるじゃないですか!」
「ええ?ほんとですか!」
所長の税理士先生は、すぐに決算書を確認したそうです。
「すみません。確かに、販売管理費に入っています。
私の確認モレです。」
「でも、決算書に所長の確認印が押されていますよ!」
「すみません。めくらばんでした。」
とのやりとりがあり、決算書は修正されました。
結局、決算処理の実務は所長ではなく、
会計事務所のスタッフが執り行います。
特別修繕費として処理することを、
所長から担当スタッフに口頭で伝えていたものの、
販売管理費で処理されてしまっていたのです。
さらに、その最終確認をする所長のチェックも、
十分に確認されないまま、確認印が押されていたのです。
考えてみれば、
どこの会社でもこんなことは起こっています。
結局、決算書の内容を最も気にかけている、
経営者自身が最後の砦となり、修正できたのです。
その経営者に、決算書を読む力があるから、できたことです。
顧問税理士に言っておいたから大丈夫、
と安心するのではなく、最後は自らの目で、
決算書の数字を確認してほしいのです。
(古山喜章)
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