『銀行を敵に回すと怖いですよ』という脅しに屈しない
『銀行を敵に回すと怖いですよ』
この言葉は、関東地方にある中小企業(仮)山田商店の山村社長に対して、
銀行員から掛けられた言葉です。
山田商店は、社員10名たらず、
食品の輸入を手掛けている会社です。
現在の山村社長は、創業一族ではありません。
いまから2年ほど前に、前任の山田社長から社長の座を“譲られ”、
孤軍奮闘しています。
社長の座を譲られ、と書いたのは、
山村社長は、決して自ら望んで社長になったわけではありませんでした。
山田商店は、年商は10億程度ですが、
自己資本比率が15%、ギアリング比率は500%と、
財務的には悪い会社だったのです。
しかし、山田社長の後を継ぐ者がいない。
ということで、部長として奔走していた山村さんが、
新社長に就任したのです。
山村社長は、もともと財務知識はありませんでしたが、
ICOのブログや書籍を読むことを習慣として、
銀行の考え方、銀行交渉の方法などを勉強していました。
新社長に就任して間もなく、
関東地方の地方銀行のTK銀行の担当者から、
「山村社長は、ぶっちゃけ何をお望みなんですか??」
と質問されました。
しかも、20歳後半の若手行員にです。
山村社長は、腹立たしさを飲み込み、
「そりゃあ、まぁ・・・金利を低くしてほしいですね」
と伝えました。
銀行員は、
「御社の状況だとそれは無理ですね。」と一言。
それでも山村社長は、勉強した知識を使って、
「いまの状況ならもっと下がらないですか?
要望を受け入れてもらえないなら、もう結構ですので・・・」
とやんわりと伝えました。
すると、冒頭の言葉の通り、
若手銀行員から、『銀行を敵に回すと怖いですよ』と言われたのです。
山村社長は、『そうですか・・・』と一言発し、お引き取り願いました。
次の日、TK銀行の支店長がやってきました。
例の担当者も一緒です。
「山村社長の要望通りにお貸ししますので、
どうかよろしくお願いいたします!」
「いえいえ、そちらの担当者と話をしたときは、無理とおっしゃっていましたが・・・」
「それは失礼しました。
行内で検討した結果、ぜひ融資させてください」と
言われ、無事に要求通りに交渉が成功したのです。
山村社長いわく、
「ふつうは、うちみたいな零細企業だと、銀行サマサマ病になりますよ!
ICOさんのブログや本で勉強していたから、交渉できたんです。
金融事情や銀行の考え方ひとつとっても、知っているか知らないのかの差は、
本当に大きいですね!」
(福岡雄吉郎)
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