メインバンクという地位に甘える銀行③
沢井商店(仮)は小売業を営んでいますが、
商売は厳しく、借入金は年商以上に上っています。
自己資本比率は10%程度、
貸借対照表の右側は借入金だらけです。
一方左側には、土地と建物です。
社外流出を抑えて、
少しでも会社にお金を残さなければ、
いつどうなってもおかしくありません。
取引銀行9行、それぞれと交渉して、
金利を下げてもらう必要があります。
「社長、いかがでしたか?
9行それぞれと交渉されましたよね?」
「はい、交渉しました。
M銀行は、2%だったものが、0.99%になりました。
N銀行は、1.5%だったのが、1.0%になりました。
T銀行は、1.3%だったものが、0.8%になりました。」
「まだまだ、私たちの顧問先の平均金利には、及びませんが、
そもそも御社は、自己資本比率が1桁、
借入金も年商以上ある会社です。
とりあえず、成果は出ましたね。」
「はい、ありがとうございます。」
「ところで、メインバンクのJY銀行はいかがでしたか?」
「はい、それが・・・JY銀行だけは、やはり手ごわくて・・・・
支店長からこういわれました。
“当行は、御社のメインバンクですから、
他行の金利引き下げの状況を見させてもらって、
最終的に金利をいくらにするか、判断させてもらいます。
私は、メインバンクは、いの一番にわが社を支えてくれる、
そういう存在だと思っていました。
でも、他の銀行の出方を待って、決めさせてもらうと言うのです。」
「JY銀行は、融資残高からしても、その姿勢からしても、
もうメインバンクとは言えませんね~」
「やはり、そうなんでしょうか・・・おまけに、
“うちは、他行と違って金利競争をするつもりはありません。”
とはっきり言われてしまいました。
さすがにJY銀行は厳しいんじゃないですか?」
「あきらめたら下がるものも下がりません。
まだあきらめないでください。」
(次回につづきます)
(福岡雄吉郎)
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