メインバンクという地位に甘える銀行⑤
沢井商店(仮)は小売業を営んでいますが、
商売は厳しく、借入金は年商以上に上っています。
自己資本比率は10%程度、
貸借対照表の右側は借入金だらけです。
一方左側には、土地と建物です。
社外流出を抑えて、
少しでも会社にお金を残さなければ、
いつどうなってもおかしくありません。
「社長、この間、JY銀行は交渉相手として
厳しいというのは、どういうことですか?
交渉内容について、教えてください。」
「まず、冒頭で、JY銀行としては、
他の銀行と横並びはせず、金利を下げるつもりはない、と言われました。
それから、私が粘り強く、“なぜ、金利が下がらないのですか?”
と聞いたら、30代の行員にこういわれました。
『いやぁ、金利下げたら、自分の給料が下がりますから(笑)』
まぁ、笑いながら言っていたので、
半分は冗談だと思いますけどね~」
それを聞いて、わが耳を疑いました。
「社長、そんな馬鹿な話、ありませんよ。
どこの銀行で、自分の銀行の社員の給料が払えないから、
金利を下げられない!という銀行があるのですか。
しかも、30代の行員が、古くから付き合いのある
70代の社長に直接言うとは・・・」
社長は続けて言いました。
「それから、今後は、わが社はこういう対策をとっているから、業績が上向きます!
と説明したら、『業績が上向くなら、金利を下げる必要ないじゃないですか』
なんて、言われました。
これっとどうなんでしょうかね?
まぁ、JYさんは昔からの付き合いもあるし、今回はもう交渉しなくても・・・」
社長の口から弱気な言葉が出てきます。
「いえいえ、ここでそのままにしては、いままでと変わりません。
せっかく交渉したのに、もったいないですよ。
銀行は、“沢井社長は、どうせ本気じゃないだろう”と、
思われているのですよ。反撃しましょう。」
(福岡雄吉郎)
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