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2017年12月 7日 (木)

フィンテックで資金調達はどう変わるか①

フィンテックも、AIやIoTに次いで、
最近の新聞紙面には欠かせない言葉のひとつになりました。
フィンテックは、ファイナンスとテクノロジーが合体した言葉です。
技術的なことはさておき、フィンテックが進むと、
中小企業にはどのような影響があるのか、です。

①決算書重視の格付け(スコアリング)が変わる

銀行対策のために、
「決算書を磨きなさい!」と言っているのに、なんだ!
と思われるかもしれません。
しかし、フィンテック活用が進んだ先には、
決算書に頼らない格付け(スコアリング)が生まれるだろう、
と予測しているのです。

格付け(スコアリング)はいわば、貸し先に対する信用のランク付けです。
銀行は会社にお金を貸して、
約束通りに返済されるかどうかが、気になるのです。
その信用度合いを測るのに、現状、決算書が活用されているわけです。

しかし、決算書は過去のデータです。
その会社の今現在の姿や少し先のことまでは、わからないのです。
「過去の決算書にばかりこだわって、今現状の姿を見てくれない!」
と嘆く経営者も多いです。
金融庁も銀行に対して、
「決算書だけでなく、これからの事業性を評価せよ!」
と方向転換を始めました。

とはいえ、現状では、銀行は決算書に頼るしかない、
というのが現実なのです。
しかし、フィンテックが進化を遂げると、どうなるか。
会社の会計データをリアルタイムで把握することが可能になるのです。
「売掛金がいくらある。」
「仕入れの支払いがいくらある。」
「入金や支払は、遅延なく行われている。」
などなど・・・。
直近の資金状況を評価機関が把握し、信用格付けをする、
ということになるのです。

銀行は、その評価機関としての主導権を握りたいのです。
だから銀行は今、
クラウド会計の会社と提携契約を結び始めているのです。
そうすることで、融資先のすべての会計データを、
リアルタイムにつかめるのでは、と考えているからです。
現に、中小企業でも、
電子債権や電子マネー、クレジットカード決済が増えるなど、
決済情報の即時データ化は、着実に進んでいるのです。
信用をリアルタイムに格付けするためのビッグデータは、
どんどん膨らんでいるのです。

一方、特定企業や個人のビッグデータを、
安易に閲覧できないようにする法案も、進みつつあります。
なので、銀行が主導権を握るかどうかは、まだわかりません。
しかし、リアルタイムの会計データをもとに、
融資のための信用格付けが行われる世の中になる、
ということは、大いにありうると考えているのです。

で、そうなると、どうなるのか?です。
それはまた次回に。

(古山喜章)

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