メインバンクという地位に甘える銀行②
沢井商店(仮)は小売業を営んでいますが、
商売は厳しく、借入金は年商以上に上っています。
自己資本比率は10%程度、
貸借対照表の右側は借入金だらけです。
一方左側には、土地と建物です。
社外流出を抑えて、
少しでも会社にお金を残さなければ、
いつどうなってもおかしくありません。
取引銀行9行、それぞれと交渉して、
金利を下げてもらう必要があります。
「社長、いま御社には、月商の4ヶ月分の現金があります。
こんなに現金はいりませんね。
なぜ、こんなに現金が必要なのでしょうか?」
「なぜと言われても・・・
手元に5億くらいないと・・・ねぇ?
なんかあっても困るでしょう。」
「ねぇ、と言われても、そちらのほうが困ります。
私たちは手元の現預金は、月商の1か月分あれば足りると考えています。
おまけに、御社のご商売は現金商売じゃないですか。
だったら余計に現金を厚く持っておく必要はないですよ。」
「でもねぇ、ずっとこれくらいの残高を置いて
やってきたからねぇ・・・」
「御社は、当座貸越は結んでいないのですか?」
「あぁ、結んでますよ。」
「それは何のために結ばれているのですか?」
「まさかのために、ですよ。」
「だったら、社長、まさかの場合は、当座貸越で対応できるんです。
だから、普段の残高はもっと抑えても問題ありませんよね?」
「まぁ、確かにね~」
「必要な現金を月商1か月分とすれば、
3か月分の現金が余剰資金になるわけです。
といっても、長期借入金を契約通りに返済してゆく必要があるので、
実質的には月商の1.5か月分くらいが余剰資金になります。
金利をただ下げてくれ、というのではなくて、各銀行に対して、
”おたくの銀行は、金利が高いので、余剰資金で借入金を返済しようと思っています“
と伝えることで、交渉のきっかけにしてください。」
「わかりました、やってみます。」
(次回へつづきます)
(福岡雄吉郎)
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