無防備な決算書が多すぎます①
先般、新著「社長の決算書の見方・読み方・磨き方」を
発売させていただきました。
(出版:日本経営合理化協会)
おかげさまで、好調な出足と好評を得ております。
ありがとうございます。
新刊のタイトルには、
「見られていることを意識した決算書であってほしい」
との願いを込めております。
とにかく、無防備な決算書が多すぎるのです。
①億単位の仮払金がある
まず初めに、誰が決算書を見るか、です。
融資を受けているなら当然、その銀行が決算書を見ます。
信用の格付け(スコアリング)をするためです。
その際、使途不明金は、マイナスポイントとなります。
経営指標で点数を算出したあと、
使途不明金のような特殊要因は、減点されるのです。
仮払金で億単位の額が決算書に載っているケースを、
何度か目撃しています。
ある会社でのことです。
「1億円の仮払金って、なんですか!」
「それが・・・、会長への仮払金なんです・・・。」
仮払金がまったく精算されず、
積もり積もって1億円を超えていたのです。
過去数年の決算書を見ると、年々増えているのです。
聞くとそのお金は、株式への投資に使われていました。
要は、個人の投資です。
個人の投資に会社のお金を使うだけでも、背任行為です。
「税理士はどう言ってるんですか?」
「このままで様子を見ましょう、て言うんです。」
と、これもまた、無責任なのです。
会長におとがめをして、顧問契約を切られたくないから、
そのような態度になるのです。
様子をみたところで、何も変わるはずがないのです。
「ちなみに、銀行金利は何%くらいですか?」
「それが高くて、2%台の後半です。3%近いです。」
これ、3年ほど前の話しです。
その時点で2%台後半は、かなり高いです。
結局、額の大きな使途不明金があるため、
格付け(スコアリング)は、かなり悪かったのです。
で、金利も銀行の言いなりになっていたのです。
金額が大きい仮払金や貸付金は、それだけで怪しいです。
しかも、それが数年にわたって存在する。
年々増えている、となると、どうみても、
「使い込んでいるな。」と、思われてしまうのです。
この場合、結局、その会長への退職金支給時に、
その仮払金を相殺したのです。
銀行は、決算書を見て読んでいるのです。
入力により点数算出されますが、異常値はチェックが入ります。
銀行も、それくらいのノウハウは持っているのです。
見られていることを意識し、決算書に、
減点対象となるような使途不明金を、残さないでほしいのです。
(古山喜章)
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