メインバンクという地位に甘える銀行(まとめ)
借入金が年商以上に上っている
沢井商店ですが、金利交渉の結果、
2%近くあった金利は軒並み1%を切ることができました。
金利はこれまで、年間30百万円近くも払っており、
少なくとも、来期以降の支払金利は、
10百万円以上は減らすことができました。
金利を減らすことができた理由は、
社長がこれまでの考え方を見直し、
本気になって銀行交渉に取り組んだからです。
この沢井社長は、超がつくほどの売上至上主義です。
口を開けば、
1に売上 2に売上 3も売上 4も売上
なのです。
以前、沢井社長に質問しました。
「社長は、なぜそんなに売上にこだわるのですか?」
「そりゃ、売上が上がれば利益も出ますよね?
資金繰りだって楽になるでしょう!」
と、大きな声でおっしゃっていました。
売上があがれば全ての問題は解決できる、
と大きな勘違いをしていたのです。
実は、銀行交渉の最中に、とあるデベロッパーから、
近くにモールができるので、そこに出店してくれませんか?
という提案が来ていました。
いまの状況からすれば、当然出店など出来るはずがありません。
しかし、「この店を出せば売上が5千万円増える!これで目標を達成できる!」と、
鼻息が荒くなっているのです。
こちらがあきれるほどの売上至上主義です。
売上が上がれば利益があがり、キャッシュも増えると思っているのです。
しかし、無理に売上をあげようとすれば、
粗利率が落ちます、固定費があがります、利益もキャッシュも残らないのです。
沢井社長には、収支計画をシュミレーションさせてみて、
数字的に全く採算は見込めない、キャッシュも増えないことを説明して、
当然ですが、出店は見送ってもらいました。
沢井商店の利益率は、7%なのです。
10百万円の金利削減効果は、
年商換算すれば、1.5億ほどの売上に相当するのです。
下げた金利の効果というのは、この先もずーっとつづきます。
ムリに売上を上げるより、よっぽど効果があがるのです。
先日、金利を下げた沢井社長から一言。
「借入が減ってゆくと、どんどん減らしたくなりますね。
もっと早く先生方に相談していればよかった!」
売上一辺倒の売上至上主義が、少し変わった瞬間でした。
(福岡雄吉郎)
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