経営者の「やってはいけない」①
書店へ行くと「〇〇してはいけない」
というタイトルの本を、今もよく見かけます。
それだけ、してはいけないことをしている方が、
多いということなのです。
経営者にも、「やってはいけない」ことが、多々あるのです。
①銀行引き受けの社債
やってはいけないことの筆頭は、『銀行引き受けの社債』です。
「最近、銀行がやたらと社債の発行を進めてきますよ。」
という経営者の声を聴くことが、
この最近1ケ月だけで、数回ありました。
「で、どうしたんですか?」とたずねると皆さん、
「断りましたよ!手数料がとんでもないじゃないですか!」
というお返事をいただきました。
その方々は皆さん、銀行引き受けの社債経験者でした。
「財務状況の優秀な御社だから、できることですよ。」
「毎月の返済がないので資金繰りがラクですよ。」
「金利も優遇金利で低いですよ。」
などと銀行に誘われて了承したものの、
社債発行に関わる手数料や、保証料の高さかげんに、
「やられた!」「だまされた!」という思いが強かったのです。
その当時とは、各社とも銀行の担当者も変わっています。
それでも同じように、社債を勧めてくるのです。
結局、長引く低金利にマイナス金利の導入で、
銀行の稼ぎどころがなくなり、
融資担当は今でも、社債を勧めてくるのです。
かつては確かに、銀行が財務状況の判定を行い、
社債発行を引き受けていました。
で、経営者は、自慢にもならないトロフィーみたいなものを受け取り、
社長室や打ち合わせ室に飾っていたのです。
つまり、かつては実際に、
財務状況の良い会社にしか、社債引き受けをしていなかったのです。
それが今は、手数料の稼ぎどころはここにしかない、
とばかりに、社債引き受けの判定基準を緩めているとのことです。
緩めているどころか、基準なんてないんじゃないか、
と思えるほどなのです。
銀行からの誘いの声が増えている、ということは、
それなりに、応じる経営者がいる、ということでもあります。
銀行交渉に関して、まだまだ知識不足の経営者が、多いのです。
銀行引き受けの社債は、
高額の手数料を隠れ蓑にした、いわば、「名ばかり社債」です。
稼いだお金が、ジャブジャブ流出してしまいます。
絶対に、やってはいけないのです。
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