平成30年度 税制改正⑤
昨年12月に与党から平成30年度の税制改正大綱が発表されました。
中小企業にとって影響があるものとして、
一般社団法人を使った相続対策が厳しくなりました
一般社団法人には持分がありません。
このため、一般社団法人に株式を持たせることを通じて、
オーナー一族の支配は維持しつつ、
オーナー社長の相続対策を行ってきたのです。
ところが、あまりに一般社団法人を使った節税を行う経営者が増えてしまったため、
「けしからん」となり、今回の税制改正によって、
これまで通りの使い勝手の良さが失われることとなりました。
②特定の一般社団法人に対しては相続税がかかる
一定の条件を満たす一般社団法人には、
相続税がかかるようになりました。
相続税額=(一般社団法人の純資産額)÷(同族役員の数)
となります。
どうすれば、よいのでしょうか?
(1)そもそも相続税がかかる対象から外す
相続税がかかるのは、簡単にいえば、
全役員の50%超が同族役員の場合、です。
ですので、同族役員の割合を50%以下にすれば、
相続税の対象から外れます。
しかし、この場合は、オーナー一族で
一般社団法人を支配できないことになります。
経営が安定しなくなるリスクが大きくなります。
相続税がかかるのはやむを得ないと考えた場合、
少しでも相続税を安くすることを考えます。
この場合の対策は、
(2)純資産額を減らす
相続税額=一般社団法人の純資産額÷同族役員の数、
ですので、分子である純資産額を減らせば、相続税額は減ります。
つまり、一般社団法人を継続的に赤字にする、
ということです。
(3)同族役員の数を増やす
相続税額=一般社団法人の純資産額÷同族役員の数、
ですので、分母である同族役員の数を増やせば、相続税額は減らせます。
(4)すぐに相続が発生しない人(若い人)を役員にする
当然ですが、相続税額は誰かに不幸があったときに発生するものです。
なので、すぐに亡くなる可能性が低い若い人材を役員にする。
この改正は、
平成30年4月1日以降に設立された一般社団法人の役員が死亡した場合に
適用されます。
平成30年4月1日前に設立された一般社団法人の役員が死亡した場合には、
平成33年4月1日以降の役員死亡に係る相続税について適用されます。
いずれも、メリット、デメリットがある対策です。
一般社団法人の一番のポイントは、
決議が資本力ではなく、頭数で決まってしまう、ということです。
見識のある人間を役員にいれておかないと、
気付いたら乗っ取られるというリスクも大いにあります。
(福岡雄吉郎)
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