「保証人」と「連帯保証人」の違い
「銀行への個人保証をしてはいけない!」
「過去の個人保証を外してもらいなさい!」
と申しつづけています。
銀行の個人保証は、「連帯保証人」となっています。
ところで、
連帯がつかない「保証人」と「連帯保証人」の違いを
ご存知でしょうか?
「連帯」の2文字がつくかつかないかで、大違いなのです。
「連帯」がつかない「保証人」の場合、
銀行が保証人に「債務の返済をお願いします。」と言っても、
保証人は、「まず債務者に対して返済を要求しろ!」と言い返せます。
これを「催告の抗弁権」と言います。
また、こうも言えます。
「まずは債務者である会社の財産に対して執行してください!」
これを、「検索の抗弁権」と言います。
つまり、
なんだかんだと言い返しながら、逃れられるのです。
ところが、「連帯保証人」となると、
先の「催告の抗弁権」や「検索の抗弁権」が認められません。
あくまでも、連帯して債務を負担する、となるのです。
つまり、債権者である銀行にとっては、「連帯保証人」とすることが、
早期回収が必要な際に、有利に働くのです。
また、単なる保証人の場合、複数人数がいれば、
債務を負担する際も、人数での均等割りとなります。
これを「分別の利益」と言います。
「連帯保証人」の場合、
この「分別の利益」も認められていません。
銀行の個人保証は、「連帯保証人」です。
弁済が必要となった際には、
逃げ道を絶たれる、のです。
前回、スルガ銀行のシェアハウス問題で、
連帯保証人にもこれから被害が広がってゆく、
と述べました。
「連帯保証人」であることの怖さは、
ある日突然、多額の負債を追ってしまうことです。
おそらく、あまり深く考えず、
捺印してしまった方もいると思います。
そこへ突然、銀行から債務返済要求の連絡が入るのです。
しかも、言い返しようがないのです。
捺印していれば、連帯保証人と銀行の契約なのです。
銀行は常に、
自分たちが有利なように契約を進めようとします。
個人に弁済能力がないとわかっていても、
多額の連帯保証を要求する銀行の個人保証には、
絶対に了承しないでほしいのです。
と、過去の個人保証が残っているなら、
解除の申し入れをしてほしいのです。
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