銀行の誘いに乗るな!①
①アパート&マンション経営への勧誘
数年前、あちこちの経営者から、
次のような相談がいくつかありました。
「銀行からお金を借りてアパートを建てようかと思うんですけど、
どうですかね?」
というものです。
「えっ、そんな場所に建てて空室だらけだったらどうするんですか?」
「ところが、販売業者が30年間、家賃保証してくれるんですよ。」
「それは絶対に何らかの条件が付いていますよ!
そんなの受けたらエライ目にあいますよ!」
「そうですかねぇ。業者は絶対安心です、て言うんですけど・・・。」
というやりとりを、何人かの方としたのを覚えています。
そもそも、
勧める側が「安心です」というのは当然です。
そんなことにさえ疑いを持たないくらい、
容易に儲かる話しがあると、気持ちがそちらへ流れてしまいます。
ゼニ儲けの話しは、ときに人の判断力を鈍らせてしまいます。
自分の都合のいいように、考えてしまうのです。
そのような方々は、今問題になっている、
静岡県のシェアハウス問題を、どのように見ておられるでしょう。
販売業者と銀行が手を組んで、
甘い言葉でそこそこの小金持ちを誘い、億単位の借金を抱えさせました。
「家賃が保証されているので、じゅうぶんに返済可能ですよ。」
ノルマ達成しか頭にない銀行員の言葉に、
700人もの方が、甘い夢を見てしまいました。
「銀行のそんな言葉にだまされた!」
という声が、新聞や週刊誌に出始めています。
シェアハウスは入居者が集まらずに破綻、
投資した個人に残ったのは、借金の返済だけなのです。
融資契約を締結している以上、借金は消えません。
おそらく銀行は今回の融資でも、
それぞれに連帯保証人をおさえているはずです。
融資を受けた本人だけでなく、その負債返済の被害が、
連帯保証人へと及んでゆくのは、まだまだこれからなのです。
金融庁はいよいよ、その温床となったスルガ銀行へ、
調査に踏み込むこととなりました。
同じようなことは、他の地銀でもここ数年、行われてきたのです。
どこにでもあった話しです。
同様の案件を勧めていた銀行担当者は、
ビクビクしているはずです。
「おたくでもシェアハウスと同じようなこと、勧めていましたよね。」
「金融庁がきたら、大変ですよね。」
と、ビビらせてほしいのです。
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