不正は、毎日どこかで起きています⑦
前回まで、2社の実例をご紹介しましたが、
もう1社、交際費がらみの例をご紹介します。
飯田エレクトロニクスは、その売上の50%が大手上場会社という
部品メーカーです。
創業してまもなく30年ですが、
近年、業績を急拡大させています。
飯田エレクトロニクスの役員は、
創業者である社長の下に、
実の息子である専務、
さらに営業担当である常務がいます。
この常務は、創業家と血縁関係のない番頭で、
飯田エレクトロニクスに入社して、15年が経っています。
この常務という方は、話が上手で、
飯田社長からも信頼を得ています。
この会社の決算書を監査していると、
ここでも、交際費が多額に計上されています。
専務にお尋ねします。
「専務、交際費が増えていますが、
この内容はお分かりですか?」
「あぁ、何となくわかりますよ。
内訳をお出ししますので、お待ちください。」
30分後、専務から明細を入手しました。
「これが、交際費の元帳です。
交際費を申請した人間も、記載してますけど、
これは、当てになりませんので・・・」
「どういうことでしょうか?」
(福岡雄吉郎)
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