『その除却損は認められません』
中部地方で、大手ホテルチェーンとフランチャイズ契約をして、
ホテル業を展開している谷川商事の専務から電話がありました。
『一つ、ご相談したいことがあるのですが・・・
実は、今週、税務調査が入っていて、問題となっているテーマがあります。
お忙しいところ申し訳ありませんが、
見解を聞かせていただけませんか?』
『はい、何でしょうか?』
『実は、当社、昨年に壁紙の貼り換えを行いました。
その貼り換えは、修繕費で落としています。
これはこれで、国税庁のQ&Aにも掲載されており、
問題になることはないんです。』
『はい、なら、別に問題ないんじゃないでしょうか?』
『いえ、実は、7年ほど前にも、
今回と同じように、壁紙の貼り換えをやっているんですね。
それで、そのときは、修繕費ではなくて、
“建物”に含めて処理していたんです。
なんで、そのように処理していたのか、
理由はよく分からないのですが、
当時の経理がそうしたんだと思います。
で、問題はここからです。
今回、壁紙の貼り換えをしたということで、
当然、その7年前の壁紙は取り替えました。
そこで、当社の処理は、その7年前の壁紙が、
“建物”として帳簿に残っていたため、
“除却損”として計上したんです。
ところが、今回の税務調査で、
“除却損”をするのは、おかしい。
認められない、と言われてしまったのです。
税務署の言い分を聞いてると、
分からなくはないのですが、
それでも、なんだか納得できなくて・・・
見解を教えていただけませんか?』
谷川専務から、このように電話があったのです。
(つづく)
(福岡雄吉郎)
【新刊本 発売しました!】
古山喜章の最新刊
『社長の決算書の見方・読み方・磨き方』が発売されました。
会計事務所任せの決算書では、稼いだお金が残りません!
決算書は、できあがってくるものではなく、意図をもって作るものです。
財務の基礎を学び、実用的な決算対策情報が満載の一冊です!
難しい会計用語は使いません!社長だけでなく、
財務担当の方にもぜひ一読いただき、実務の理解をしてもらってください!
メールにてお問い合わせの方は、こちらをクリックしてください。
【新刊本 大好評です!】
井上和弘の最新刊『承継と相続 おカネの実務』が発売されました。
オーナー経営に精通した井上和弘が生み出した事業承継対策が満載です!
難しい専門用語は一切なし!多くの実例を示して、
あくまでも社長目線でわかりやすく解説しています。
メールにてお問い合わせの方は、こちらをクリックしてください。
« 銀行交渉時のカン違い② | トップページ | 労働集約産業 人の頭数が会社生命 »
コメント