融資至上主義が、銀行員の秩序を狂わせた②
銀行の不祥事を見ていると、
そこには、営業マンの尻をたたき過ぎる、
融資至上主義の弊害が見えてきます。
②スルガ銀行 かぼちゃの馬車事件
「シェアハウスのオーナーになりませんか?
賃料収入は30年間、保証しますよ。
融資はスルガ銀行がバックアップします!」
投資意欲のある多くのサラリーマンが、
販売業者の甘い言葉に誘われてしまいました。
案の定、販売業者は倒産し、投資した人の手元には、
億単位の借金だけが残りました。
しかも、投資意欲のある人たちの、
源泉徴収票や預金通帳の数字を改ざんして膨らませ、
より多額の融資ができるようにしていたのです。
賃料収入が消えた今、そんな元金返済は、
できるわけがない状態に、皆さん陥っているのです。
破産した方や、自殺者までも出てしまっています。
銀行は最初、「数字の改ざんに銀行員は関わっていない!」
と言い切っていました。
しかし、週刊誌やネット上では、
銀行員も数字改ざんに関わっていたことが、
当事者たちによって、どんどん暴露されてゆきました。
結局その後、
「銀行員も改ざんを承知して融資を行っていたことが、
調査の結果わかった。」
と、先の発言を撤回したのです。
スルガ銀行と言えば、稼いでいる地銀ランキング等では、
常に上位にありました。
今週5月28日発売の東洋経済
「地方銀行 営業利益ランキング」でも、第一位です。
金融庁からも、
“これからの地銀のビジネスモデルだ!”
などと、もてはやされていました。
その稼いだ営業利益の要因は、企業への融資よりも、
個人への融資に特化した、ということにありました。
個人への融資で、企業へ貸すよりもずっと高い金利で、
融資をしていたのです。
スルガ銀行が、
個人融資中心に舵をきったのは、リーマンショック以降です。
それがここ約2~3年で、
データ改ざんをしてまでの、不正融資に至りました。
それが今回の、かぼちゃの馬車事件です。
その経緯の裏には、実態は同族会社であるスルガ銀行の、
融資至上主義による、銀行員のモラル崩壊があったのです。
次回へ続く…。
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