オフバランス実務⑧
カーディーラーを展開する田所カーズから
オフバランスの相談を受けました。
創業者である田所会長が言うには、
『当社の土地の半分以上は、含み損を抱えています。
ここはひとつ、資産管理会社をつくりつつ、節税できたらと考えています。』
不動産売却について取締役会で決議するのと前後して、
資金調達の交渉に入ります。
新会社をつくる場合も、休眠会社を活用する場合も、
いずれにせよ、本体から不動産を買い取るための資金がありません。
ですから、オフバランスするということを銀行に予め伝えておき、
新会社は資金調達を行います。
先日のブログで、借入金利は0.2%台と書きましたが、
この田所カーズでは、
期間15年、無担保・無保証、0.13%で調達できました。
実は、田所会長も最初からこの金利で借り入れできるとは、
思っていませんでした。
本体の金利が、0.38%くらいだったので、
それ以上の金利になると考えていたのです。
ただし、田所カーズの財務体質は健全ですので、
いまの金利情勢からして、新会社はもっと低い金利で調達できたらなぁ
とは思っていました。
資金調達をする際には、
今後15年~20年の事業計画や資金計画を提出します。
田所カーズでは、ここを一工夫しました。
新会社の事業計画には、簡単なP/Lのシミュレーションを行います。
売上高、売上原価、粗利益、販管費、営業利益・・・
その先の『支払利息』を工夫したのです。
事業計画上、借入金利を0.2%として、
支払利息の計算を行ったのです。
この事業計画を見た銀行からすれば、
借入金利を0.2%で計算している、ということは、
「その金利でしか借りない」というような
暗黙のメッセージになるわけです。
結果的に、地方銀行である
G銀行から0.13%、
S銀行から0.25%の提案がありました。
残念ながら、
メガバンクからは、0.6%~0.8%の金利提示でした。
もともと、田所カーズのメインバンクはS銀行だったので、
『G銀行から0.13%で提案が来ました』と伝えてもらいました。
すると、案の定、S銀行もG銀行に合わせることになりました。
結果的に、超低金利での資金調達に成功したのです。
(福岡雄吉郎)
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