金融庁の長官が変わると、どうなるのか?①
7月14日、金融庁の長官が変わりました。
森親氏から、遠藤氏になりました。
金融庁は、銀行や保険会社を監督する立場です。
その長官が交代になってどうなるのか、ということです。
前任の森氏は、3年前の就任以降、
各銀行からは、大いに恐れられる存在でした。
「個人保証や担保に頼る融資をするな!」
という声をあげ、銀行の過去の融資体質を変えようと、
試みたからです。
個人保証に頼ってはならない、という、
平成26年に発令されたガイドライン作成の、
中心的人物だったのです。
加えて、個人保証や担保の実態を調査し、
その数値結果を公開することにも踏み切りました。
新たな「金融行政方針」も打ち出しました。
それまでの長官には、全くなかった動きを見せました。
その為、これまでの融資姿勢を変えれない銀行は、
森長官から容赦なくたたかれました。
その一方、これまでにない取り組みで実績を上げる銀行を、
「これからの銀行のモデルだ!」
と、ほめたたえました。
そのひとつが、スルガ銀行だったのです。
しかしその実態は不正融資であったため、
もはや長官としての続投は、なくなったのです。
「正直なところ、古い体質の地銀の頭取たちは、
森長官が退任して喜んでいるんじゃないですか?」
と、ある方にお聞きしました。
しかし意外に、
「そんなこともないですねぇ。」とのことでした。
「どうしてですか?」
「今度の遠藤さんも、
森さんが敷いた路線をそのまま進めてゆくらしいから、
やることは同じだと思いますよ。」
とのことでした。
とはいえ、
金融庁の動向は銀行への影響が大きいので、
銀行はそのトップがどんな人物になるのか、
気になって仕方がなかったはずです。
前例のない厳しさであった森氏が退任したことで、
ホっとしている銀行マンは、やはり多いと思うのです。
銀行担当者には、
「金融庁の長官が変わって、支店長や役員は、
少しほっとしているんじゃないですか?」
と、聞いてみてほしいのです。
さらに気になることは、
長官が変わり、フィンテックが進み、
これまで使われてきた格付け(スコアリング)はどうなるのか、
ということです。
このことについては、次回に書かせていただきます。
(古山喜章)
【新刊本 発売しました!】
古山喜章の最新刊
『社長の決算書の見方・読み方・磨き方』が発売されました。
会計事務所任せの決算書では、稼いだお金が残りません!
決算書は、できあがってくるものではなく、意図をもって作るものです。
財務の基礎を学び、実用的な決算対策情報が満載の一冊です!
難しい会計用語は使いません!社長だけでなく、
財務担当の方にもぜひ一読いただき、実務の理解をしてもらってください!
メールにてお問い合わせの方は、こちらをクリックしてください。
【ブログ-井上和弘の寄り道スケッチ】
道場主 井上和弘の趣味、旅、雑学など、
会社経営からちょっと離れた、日常生活をつづったブログ、
「井上和弘の寄り道スケッチ」もぜひご覧ください!
最近のコメント