「全損保険に待った!」は本当か?
6月下旬、朝日新聞紙上とデジタル版で、
「節税保険、実態解明へ!」という記事が出ました。
この記事を受けて、
「全額損金保険に、国税庁が待ったをかけた!」
「いつかやられる思っていた!」
という記事や憶測が、ネット上で飛び交いました。
確かに、生命保険関係者にたずねると、各保険会社では、
全額損金商品に関する、金融庁からの調査が行われています。
国税庁からの指摘を受けて、動いているようです。
しかし、
全額損金の生命保険商品といっても、さまざまです。
「朝日の記事にあるのは、どれが対象なんですか?
全てなんですか?」
ということを、法人保険の専門家3名に聞いてみました。
結論から言えば、
“すべてではない。”ということと、
“60歳以上でも加入できる「災害補償付き定期保険」だけが対象でしょう。”
というのが、3名全員の見解でした。
「災害補償付き定期保険」は、生命保険でありながら、
60歳以上でも加入できます。
なぜ加入できるのか、というと、
事故・災害で死亡したときだけの生命保険、だからです。
事故・災害に会う確率は、年齢は関係ないでしょ、
という発想です。
その商品は数年前、大手国内生保Nから発売されました。
60歳以上の経営者がとびつき、じゃんじゃん売れました。
で、国内外を問わず、生保各社が同様の商品で追随しました。
それも、Nよりもいい条件で。
そうなると、Nはむかつきます。
もうすでにさんざん販売したNは、
追随する各社を懲らしめたくなりました。
で、国税にリークし、国税が動いて金融庁が動いた。
それを朝日がかぎつけたのではないか、
というのが、保険専門家の方々の見解です。
なので、
「全額損金保険の全部が対象じゃなくって、
60歳以上でも加入可能の商品がひどすぎる、ということですよ。
他の商品には影響ないですよ。」
とのことなのです。さらに、
「だってその記事がでたあとも、
金融庁は新たな全額損金商品の認可を、しているんですよ。」
とのことだったのです。
いかがでしょうか?
今回の朝日の記事を受けて、特に税理士などは、
「それ見たことか!」といった感じの記事を書いています。
しかし、全損保険商品のすべてが対象ではないのです。
まだまだ、可能な全損商品は、いくつもあるのです。
記事のタイトルに踊らされず、冷静に見極めてほしいのです。
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