銀行格付は、P/LとB/Sがあればよい
「銀行に出す決算書は、
本当にP/L・B/Sだけでよいのでしょうか?
という声を、ある経営者からお聞きしました。
「決算書の内訳明細まで、銀行に提出する必要ないですよ!」
と、私が述べていたことを受けての質問です。
要は、
損益計算書と貸借対照表だけでよいのですか?
というわけです。
先日、某地方銀行の元頭取にお話しを伺う機会がありました。
で、聞いてみました。
「中小企業が銀行に毎年提出している決算書ですが、
内訳明細まで出す必要はありませんよね?」
すると、元頭取から次のような返事をいただきました。
「損益計算書と貸借対照表だけでいいですよ。
内訳明細とかほしがるのは、売り先や買い先、
取引銀行や株主内訳を知りたいからですよ。
銀行員には、その情報がひとつのおてがらになるんです。
格付けをするには、
損益計算書と貸借対照表だけで、できますから。」
さらに、
「損益計算書と貸借対照表を提出して、
前年から財務状況があからさまに悪化しているなら、
内訳明細を求められて提出することになるかもしれません。
そうでない限りは、
損益計算書と貸借対照表だけでいいですよ。」
いかがでしょうか?それでも、
「去年まで提出していたものを、今回から提出しないなんて、
銀行から何か怪しまれませんか?」
とおっしゃる方がおられます。
「そのときは、
外部の指導を受けて必要以上に出さないことにしました、
と言ってください。」としております。でもさらに、
「いやぁ、銀行に対してそんな態度でいいのかどうか、
いまだに不安なんです。」
とおっしゃる経営者がおられました。
資金調達に苦しんだ経営者ほど、
銀行への態度や姿勢を変えれないものです。
しかし、
銀行員はそのようなことも承知のうえで、
決算書以外の情報入手を企み、
当然のように内訳明細の提出を要求してくるのです。
決算書の内訳明細にあるのは、重要な機密情報です。
それを今までそうだったから、と、
安易に提出しないようにしてほしいのです。
(古山喜章)
【新刊本 発売しました!】
古山喜章の最新刊
『社長の決算書の見方・読み方・磨き方』が発売されました。
会計事務所任せの決算書では、稼いだお金が残りません!
決算書は、できあがってくるものではなく、意図をもって作るものです。
財務の基礎を学び、実用的な決算対策情報が満載の一冊です!
難しい会計用語は使いません!社長だけでなく、
財務担当の方にもぜひ一読いただき、実務の理解をしてもらってください!
メールにてお問い合わせの方は、こちらをクリックしてください。
【ブログ-井上和弘の寄り道スケッチ】
道場主 井上和弘の趣味、旅、雑学など、
会社経営からちょっと離れた、日常生活をつづったブログ、
「井上和弘の寄り道スケッチ」もぜひご覧ください!
« 仏の世界は、甘すぎる?① | トップページ | 仏の世界は、甘すぎる?② »
「銀行交渉」カテゴリの記事
- 銀行融資の担保・個人保証はすぐに外しなさい④(2023.07.14)
- 銀行融資の担保・個人保証はすぐに外しなさい➂(2023.07.13)
- 銀行融資の担保・個人保証はすぐに外しなさい②(2023.07.11)
- 銀行融資の担保・個人保証はすぐに外しなさい①(2023.07.10)
- 特別損失を活用しなさい(2023.05.02)
コメント