金利が下がりました!
①中間決算前に返された困るのは銀行担当者です
ある会社の社長が、
銀行金利を下げる交渉をしていました。
既存の取引銀行は4行です。
4行の平均金利は、1.6%でした。
「いまどき1.6%は高すぎますよ!」
との我々の指摘を受け、動き始めたのです。
最も交渉が停滞したのは、
都道府県の名前がついた第一地銀でした。
他の3行は交渉の結果、0.7%まで下がりました。
私にすれば、それでも高いと感じるのですが、
まずは半分以下には下がったのです。
しかし問題の第一地銀だけは、
「うちでは1%以下の金利は出せないです。」
と言い張られていました。
「じゃあ、他の銀行から借りておたくの借入は返します。」
と言ってみてください、と社長に伝えました。
数日後、「0.7%に下がりました!」
との連絡を受けました。
結局、1%以下にはできない、など、ウソだったのです。
社長は
「あまりにも簡単に態度を変えるのでびっくりしました!」
と驚いていました。
しかし、「おたくには返します。」
と社長が第一地銀の担当者に伝えたのは、
9月上旬だったのです。
9月末は、銀行の中間決算があります。
8月下旬以降は、融資担当者が借入のお願いに回る季節です。
そんな時に、「返します。」と言われて、
担当者は青ざめてしまったのだと思われます。
それでなくとも、
融資額のノルマを確保することに追われるのに、
返済された分までカバーすることは、
いくら第一地銀とはいえ、地方では至難の技なのです。
銀行交渉を仕掛けるときには、
相手がどのようなタイミングなのか、
ということを知ることも、大事な要素なのです。
日銀が毎月公表している平均金利を見ると、
7月末で0.73%です。
なので、0.7%だと、まだまだ平均レベルの金利です。
今回取り上げた会社が、
本当に強い銀行交渉の腕を修得するのは、
まだまだこれからなのです。
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