経審の担当者から、『それはダメ!』と言われました。
建設業(ハウスメーカー)を営むT社の経理担当から、
電話がかかってきました。
『ちょっと、困ったことがありまして。』
『何でしょうか?』
『この5月の決算なのですが、
できるだけ営業利益を増やそうと思って、
いろいろなものを特別損失にもっていきました。
実は当社は、経審(※)にも決算書を提出しているのですが、
その経審の担当者から、
決算書にケチがつけられました。』
経審というのは、経営事項審査といいます。
建設業者の施工能力や経営状況等を客観的な指標で評価する制度で、
国、地方公共団体などが発注する公共工事を直接請け負おうとする
建設業許可業者は、必ず受けなければいけません。
この審査で点数が悪いと、大きな工事は受注できず、
建設業であれば、みなさん、気にされる審査です。
『具体的に、どんなところにケチがついたのですか?』
『はい、実は、今期は、業績がよいということもあり、
販促活動、具体的には、ダイレクトメールや、チラシの配布を大規模に行いました。
金額でいえば、3000万円くらいです。
これを特別損失に計上したのですが、
審査を担当している方から、“これは特別損失じゃないでしょ!”と、
結構きつく言われてしまいました。』
『税務署や銀行には、その決算書で出していますよね?』
『はい、ですから、今さら、提出済みの決算書を訂正するわけにはいかないので、
経審に提出する際の決算数値だけ修正しなさい、ということでした。
どうしましょうか?』
『そんな話は、初めて聞きました。
経審の審査官も、ちゃんとチェックするんですね~。』
『いや、当社もこんなことを言われたのは初めてです。
審査を担当する人によって、
細かい人とそうでない人といるみたいんなんです。』
『そりゃ、運が悪かったですね~。』
『そんな・・・
何とか、良いアイデアはないのでしょうか?
担当者は、結構きつい方なんです・・・』
次回につづく
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