M&A 成功のポイント④
M&Aの仲介会社に払う仲介手数料は、
数千万円にものぼることは、
先日のブログでお話したとおりです。
この手数料というのは、何を基に計算するかは、
仲介会社によって異なります。
総資産、負債、あるいは、株価など、
仲介会社によって計算方法に差があるわけですが、
この手数料をM&Aの契約時に値引くことはできません。
M&Aの交渉をスタートする前に、
手数料についての契約を交わすため、
後から、「値引いてくれ」といっても、
仲介会社からすれば、値引く義務がないからです。
しかし、なかには、
仲介手数料の値引きに成功する会社もあります。
たとえば、こんなケースです。
売主は、株式を5億円で売ることを希望しています。
M&Aの交渉をスタートした時点では、
「おそらく5億円で売却できるでしょう」
という話でした。
ところが、デューデリジェンスという作業をしたところ、
資産の一部に含み損、また隠れ負債が見つかるなどして、
株価が4.9億円になったとします。
このとき売主は、
「おれは、5億円でしか売らない!
最初にそう話したはずだ!」となったケースです。
買い手もデューデリジェンスで4.9億円と評価されている以上、
5億円で買う理由はありません。
買い手と売り手が価格でもめるケースはよくありますが、
こういうとき、仲介会社は困ります。
10百万円の価格差について、
双方で折り合ってもらえれば、
買い手、売り手の両方から数千万円ずつ手数料が入ってくるのに、
もし、このまま決裂してしまえば、
数千万円ずつ手数料が入る機会がなくなるからです。
このとき、買い手は仲介手数料を値引くチャンスなのです。
売主の会社が、10百万円値引こうが、
仲介手数料を、10百万円値引こうが、
買い手が出すお金は、結論的には変わらないのです。
仲介会社としても、10百万円の手数料を値引かずに、
交渉決裂で、一銭も入らないより、
10百万円の手数料を値引いて、
30百万円の手数料を手にいれるほうを選択するのです。
(福岡雄吉郎)
【新刊発売しました!】
福岡雄吉郎の最新刊
『会社にお金を残したいなら 今すぐ経費を増やしなさい』
いわゆる教科書的な節税本とは一線を画し、
中小企業の現場で実際にあったエピソードを豊富に紹介。
具体的かつ実践的な税務対策を指南します。
本書を活用して、ぜひICO式のお金の残し方を実践ください!
【好評発売中!】
古山喜章の最新刊
『社長の決算書の見方・読み方・磨き方』
会計事務所任せの決算書では、稼いだお金が残りません!
決算書は、できあがってくるものではなく、意図をもって作るものです。
財務の基礎を学び、実用的な決算対策情報が満載の一冊です!
難しい会計用語は使いません!社長だけでなく、
財務担当の方にもぜひ一読いただき、実務の理解をしてもらってください!
【ブログ-井上和弘の寄り道スケッチ】
道場主 井上和弘の趣味、旅、雑学など、
会社経営からちょっと離れた、日常生活をつづったブログ、
「井上和弘の寄り道スケッチ」もぜひご覧ください!
« 中小企業でもできる、新技術活用術⑪ | トップページ | 中小企業でもできる、新技術活用術⑫ »
「事業承継・M&A」カテゴリの記事
- 5話連続シリーズ「種類株式活用の難関を超えよ!」⑤(2020.12.11)
- 5話連続シリーズ「種類株式活用の難関を超えよ!」④(2020.12.10)
- 5話連続シリーズ「種類株式活用の難関を超えよ!」③(2020.12.09)
- 5話連続シリーズ「種類株式活用の難関を超えよ!」②(2020.12.08)
- 5話連続シリーズ「種類株式活用の難関を超えよ!」①(2020.12.07)
コメント