なぜ、新技術の活用が進まないのか?②
中小企業でもできる「新技術活用術」として、
これまで20回にわたり書いてきました。
しかし、多くの中小企業ではまだ、
新技術の活用が思ったほど進んでいないのです。
②完璧を追い求めてアラ探しをする
「今やオフコンの時代は終わりですよ。
受発注もインターネットのクラウドでやる時代ですよ。」
などというと、必ずこう言う経営者がいます。
「インターネットにした場合、安全性はどうなんでしょうか?
情報が漏れたり、外部から侵入されたり、
いろいろ事件が起こっているじゃないですか?」
要は、そのようなリスクに対して、
「完璧な守りができていないんじゃないですか?」
「完璧でもないシステムに、高いお金を投じる必要があるんですか?」
というわけです。
新技術の活用は、
リスクや被害をゼロにするために取組むのではありません。
生産性を上げるために取組むのです。
そもそも、世のなかに完璧のものなどありません。
飛行機だって、落ちるかもしれないのに、乗ります。
列車でも、脱線事故があるかもしれませんが、乗ります。
自動車も、事故に会うかもしれないけれど、乗ります。
「事故に会うリスクがあるから乗り物には乗らない!」
などと言う人はいません。
いずれも、利便性があるから、利用するのです。
つまりは、そのほうが、生産性が良いのです。
なんだかんだ言って、結局のところ、
自分が知らない技術への不安と、お金の出し惜しみです。
だから、アラ探しをしてしまうのです。
新技術をとっとと導入する会社は、
いわば見切り発車で導入します。
「とりあえず導入して、運用しながら修正を加えてゆこう。」
というくらいの気構えで、新技術の導入を始めます。
なので、実務に沿った修正を加えてゆくことができます。
導入前に完璧にしておこうとして時間をかけて準備をしても、
いざ運用し始めたら、やっぱり想定外の不具合が発生します。
イレギュラーも起こります。
現場実務とは、そういうものです。
それなら、早くから新技術を取り入れて、
走りながら修正を加えたほうが、より早く精度が上がり、
効率化が進むのです。
ライバルとの差別化も、より早く図れるのです。
そもそも、新技術に変えなくても、
今の旧式なやり方でも、さまざまなリスクを抱えています。
システムトラブルもあれば、情報漏洩もありえるのです。
完璧を追い求めると、新技術の導入は、遅れるばかりなのです。
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