株式の整理は想定外の連続です④
菊田電機は、その昔、仲違いした販売会社の元社長梅川氏から、
株式を買い戻そうとしています。
しかし、菊田電機の大阪営業所長が曰く、
「この方の長男と数年前にお会いしたときに、
“死んでも売らない”と言われました。」
しかし、菊田電機としても、
梅川氏の株式を買い戻さないと前に進みません。
「営業所長、確かにその当時は“死んでも売らない”と
思っていたかもしれませんが、
今は状況が変わっているかもしれませんよ。
梅川元社長が、老人ホームに入ったのは、
ここ数年ですよね?
こういうと不謹慎ですが、梅川社長には、
刻々と天国からのお迎えの時期が近付いているわけです。
数年前は、お金に困っていなくても、
いま、お金に困っていて、まとまったお金が入るなら
株を売ってもいい、と心変わりしている可能性だってありますよね?」
株主を取り巻く状況は変わります。
・自分が病気になった
・家族が病気になった
・収入が激減した
などなど、昔と今では状況(特に財布の状況)が違っている、
ということは、結構あります。
だから、こういう場合でも、ダメもとでアタックすべきなのです。
菊田社長曰く、
「いや~、とは言ってもねぇ・・・
昔、裁判の一歩手前まで行っていますからね。
今だって、当時のことを思い出すと、はらわたが煮えくり返りますよ。
それは、おそらく向こうだって同じ。
簡単に売ってくれるとは到底思えませんがね。。。」
「社長、簡単に売ってくれる方法、ご存知でしょうか?」
「??」
「お金を積めば、簡単に売ってくれますよ!」
「梅川さんは、当初、100万円出資してくれました。
当社は、毎期、継続的に配当もしていますから、
まぁ、当初出資の倍の200万円出せば、いいでしょうね。」
「社長、2倍は少ないですよ。
幸い当社には、キャッシュが豊富にあります。
5倍の500万円くらいは出さないと・・・・」
「5倍も出すの?!
あんな人間にそんな大金出すのは、気が進まないね!」
「こういう場合は、損して得取れです。
梅川さんから株を買い取れれば、
当社としては、○億円の相続税対策ができるのです。
どっちを取るべきか、明白じゃないですか!」
「むむ・・・わかりました、5倍出しましょう。
しかし、どうやって意思表示するのですか?」
「手紙を出しましょう。
予め、大阪営業所長から、梅川さんの長男には伝えてください。
手紙はこちらで作りますので!」
つづく
(次回につづく)
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