株式の整理は想定外の連続です⑨
九州地方にある機械工具メーカーである
松木製作所は、創業70年を迎えます。
中興の祖として、会社を大きく成長させた松木社長からの依頼で、
種類株式を使った事業承継対策を実行する、
ということになりました。
松木製作所の株主には、
現在の松木社長のいとこが株式を保有していました。
いとこの持つ株式は、税務上の時価は、50円でした。
松木社長は、その倍の100円で買い取ろうと考えたのです。
『じゃ、来週に一回電話して、
向こうがどういうつもりか、確認してみますよ。』
1週間後、社長に連絡すると・・・
『いとこ、OKって言うてましたわ。』
『そうですか、とりあえずよかったですね。
じゃあ、あとは契約書などの書類を準備して、
買い取り手続きを進めましょう。
次回、伺ったときに細かいところは打ち合わせしましょう。』
と電話を切りました。
約束の訪問日に松木社長を訪ねると、
社長が怒りに満ちた顔をしています。
『社長、どうかされましたか?』
『いやね、例のいとこのことなんやけど・・・
昨日に電話がかかってきて、
“やっぱり売れん”と言われましたわ。』
『えっ??なんでですか??』
『娘に相談したら、
“お父ちゃん、100円なんて安すぎや!
と言われたそうですわ。どないしましょうか?』
(次回につづく)
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