株式の整理は想定外の連続です⑥
九州地方にある機械工具メーカーである
松木製作所は、創業70年を迎えます。
中興の祖として、会社を大きく成長させた松木社長からの依頼で、
種類株式を使った事業承継対策を実行する、
ということになりました。
松木製作所の株主には、
現在の松木社長のいとこが株式を保有していました。
『社長、株主名簿に名を連ねる、いとこですが、
どういう経緯で、当社の株式を持たれたのですか?』
『あぁ、このいとこは、相続ですよ。
私の父親が、当社を設立するとき、
ほら、昔は、株主が7人必要だったでしょう。
だから、親戚にも声をかけて、株主になってもらったのです。
いまのいとこは、私の父親の弟、つまり私からみれば、おじさんですが、
そのおじさんの長男になるんです。』
『あぁ、なるほど。わかりました。
おじさんは、何年くらい前に亡くなったのでしょうか?』
『何年くらいだったかな~。
だいたい10年くらい前だったと思いますよ。』
『いとこは、社長と同じくらいの年齢なのでしょうか?』
『そうだね。私と同じくらい、70歳前後ですね。』
『そのいとこは、いまは何をされてるんですか?』
『いまは、もう仕事もやめています。
いとこは、国立大学の教授だったんです。
へぇ~、ということは、
それほどお金には困っていないんでしょうか?』
『そうやねぇ。困っていないと思いますよ。』
私たちが株主の整理をお手伝いするときは、
必ず、株主の懐事情を聞くようにしています。
なぜなら、最終的には「お金」で決着する場合が多いからです。
松木製作所も、ご多分にもれず・・・・だったのです。
(次回につづく)
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