銀行の危機感④
ラインやペイペイなど、
銀行とは異なる業態による、
金融業界への参入がどんどん増えてきました。
そんななか、銀行業界での生き残りをかけて、
各銀行も巻き返しを図る行動を起こしています。
それらの行動には、銀行の危機感を感じるのです。
④クラウド自動会計との提携
フリーやマネーフォワードなど、
クラウド上での自動会計が存在感を高めています。
それらのクラウド自動会計の会社と銀行が連携する、
という発表が2018年はやたらと多かったのです。
クラウド会計では、
銀行口座やクレジットカードを登録します。
で、その口座の入出金やカード支払いの明細を、
自動で経理処理をしてゆきます。
自動仕分けで不明なところは、人が補い、精度を高めてゆきます。
財務諸表が自動でできてゆきます。
で、銀行はクラウド会計会社と提携し、
企業に銀行口座を登録してもらいます。
さらに、企業の承認を得て、日々できあがる、
クラウド財務データを入手します。
そのリアルな日々の財務データに応じて、
融資や回収業務を行おう、というわけです。
とはいえ、まだこの方法での融資は確立されていません。
単に、今のところは、参考データとして見られます。
ただ、クラウド財務データの開示を銀行に承認すれば、
すべてをさらけだすことになってしまいます。
金利や手数料など、交渉時に不利になることは明白です。
クラウド会計は良いものの、
銀行への財務データ開示は禁物なのです。
おそらく銀行からは、
「データを開示いただければ、融資の決裁が早いですよ。」
「手数料を若干さげさせていただきます。」
「普段より多くの融資枠が可能ですよ。」
など、新たな誘いの声が出てくるものと思われます。
銀行がクラウド会計との提携を進めているのは、
新たな飯のタネを見つけなければ生き残れない、
危機感の表れなのです。
(古山喜章)
【好評発売中!】
古山喜章の最新刊
『社長の決算書の見方・読み方・磨き方』
会計事務所任せの決算書では、稼いだお金が残りません!
決算書は、できあがってくるものではなく、意図をもって作るものです。
財務の基礎を学び、実用的な決算対策情報が満載の一冊です!
難しい会計用語は使いません!社長だけでなく、
財務担当の方にもぜひ一読いただき、実務の理解をしてもらってください!
メールにてお問い合わせの方は、こちらをクリックしてください。
【ブログ-井上和弘の寄り道スケッチ】
道場主 井上和弘の趣味、旅、雑学など、
会社経営からちょっと離れた、日常生活をつづったブログ、
「井上和弘の寄り道スケッチ」もぜひご覧ください。
« 株式の整理は想定外の連続です⑩ | トップページ | 株式の整理は想定外の連続です⑪ »
「銀行交渉」カテゴリの記事
- 「金利ある世界」に踊らされてはいけない⑤(2024.08.09)
- 「金利ある世界」に踊らされてはいけない④(2024.08.08)
- 「金利ある世界」に踊らされてはいけない➂(2024.08.07)
- 「金利ある世界」に踊らされてはいけない②(2024.08.06)
- 「金利ある世界」に踊らされてはいけない①(2024.08.05)
コメント