銀行の危機感①
ラインやペイペイなど、
銀行とは異なる業態による、
金融業界への参入がどんどん増えてきました。
そんななか、銀行業界での生き残りをかけて、
各銀行も巻き返しを図る行動を起こしています。
それらの行動には、銀行の危機感を感じるのです。
①振込手数料を下げます。
先日、ある経営者から、
「銀行から振込手数料を下げます、って言ってきました!」
との連絡を受けました。
これまで、振込手数料の引き下げ交渉は、
こちらからしなければ、銀行からは絶対に言ってこない、
と申し上げていました。
で、通達を見せていただきました。
こうありました。
同行あて(他店含む)
3万円未満 108円 → 変わらず
3万円以上 324円 → 216円
他行あて
3万円未満 432円 → 324円
3万円以上 648円 → 540円
インターネットの振込に限り変更する、とのことでした。
但し、その経営者の会社は、すでに個別交渉し、
もっと安い振込手数料で取引していました。
「それは安くならないのですか?」と聞くと、
「さすがにそれは、下がらないみたいです。」とのことでした。
しかし、ちゃっかりと値上げもありました。
給与振り込み分です。
他行あてを、これまで無料だったのを、
108円と有料化になったのです。
ちなみに同行あては、他支店あても含めて無料です。
これは、銀行口座の囲い込みです。
「よその銀行に振り込むなら108円かかります。
うちに給与振込口座を開設すれば、同行あて扱いで0円ですよ。」
と言いたいわけです。
その経営者の会社でも、一部の従業員に、
その銀行での口座開設を求める、とのことでした。
昨今、巷では
「ラインペイ同士なら送金手数料がいらないらしい」
「この送金アプリがいいらしい。」
など、送金に関する低価格化の情報があふれてきました。
ビジネス雑誌でも、どれが一番お得か、
といった記事を見かけます。
どの情報を見ても、共通するのは、
「銀行に比べて安い。」ということです。実際そうなのです。
そのことに、危機感を持った銀行が、
今回の手数料改定の通達に至ったのであろう、
と思わずにはいられないのです。
銀行業界は、ライバル銀行に倣え、という横並びが基本です。
おそらく他の銀行でも、手数料に関しては、
積極的な働きかけがが出てくるものと思われます。
そういうときは、
「新たなライバルが登場しているから、大変ですね。」
と声をかけてみてほしいのです。
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