全損保険がなくなるわけではない ②
2月6日の日本経済新聞一面に、
「節税保険、見直し」との記事が掲載されました。
全損保険商品の一部に、国税庁から
「やり過ぎだ!見直せ!」
の号令がかかったわけです。
このように国税庁が動き出す、そのおおもとは、
どこかの保険会社が国税庁に物申す場合か、
スルガ銀行の不正融資のような社会的事件への発展があった際に、
始まります。
今回の場合は、前者のケースです。
日経新聞の記事を見ると、
大同生命、第一生命の社名が出てきます。
しかし、保険会社の最大手であるN生命の名前は一切出てきません。
この手の記事なら、最大手の社名が登場してしかるべきなのに、
それが出ないのです。
おそらく、N生命から国税庁へ物申したのだと思われます。
なぜそのようなことが起こるのか、というと、
今回の見直し商品に関して、N生命はうま味を
思うように獲得できていませんでした。
ライバル他社に勝てなかったのです。
しかもこの商品は、保険業界としてはヒット商品だったのです。
N生命が先に売り始めたのです。
なのに、N生命のあとから売り出した、
ライバル会社の同等商品が加入者により有利な条件設定をし、
そちらのほうがよく売れたのです。
N生命にすれば、面白くありません。
「だったらこの商品をストップさせてやる!」
との思いで、国税庁に物申す、ということに繋がるわけです。
結局、該当商品をすべて売り止めにするまでは至らず、
多くは返戻率や保険料の見直し、にとどまりました。
国税庁にすれば、
「やり過ぎの商品はやめておけよ。」
と保険会社各社に、釘を刺した形になったのです。
なので、前回からの繰り返しになりますが、
全損保険商品がすべてなくなるわけではありません。
その誤解なきようにしていただき、
保険代理店などの誘いに安易にのらないよう、お気をつけください。
さらに2月14日、
日経新聞一面に、
「節税保険の販売停止」の記事が出ました。
そこには、国税庁の課税方針見なおしまで、
各社が販売を自粛する、とあります。
それも、2月14日から、とありました。
今後の動きを追い、改めて書かせていただきます。
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