事業を売却します②
近畿地方で製造業を営む(株)山川の社長から
事業譲渡の相談が入りました。
事業を売却先の(株)森村との間で、
これから交渉をしていかなくてはいけません。
しかし、こうした事業売却の話など、
経営者にとって、めったにある話ではありません。
経営者人生で1回あるか、ないかの話です。
なので、当然、どのように進めていけばいいか、
見当がつきません。
「社長、通常は、基本合意書という書類を交わします。
これは正式な契約書ではありませんが、
金額、条件など、大まかな項目について
相手方と合意する、というものです。
このときに、一番大切なのは、何かお分かりですか?」
「うーん、やっぱり、金額じゃないですか?」
「そうです。だいたいM&Aで交渉決裂する場合は、
金額が一番の原因になります。
ちなみに、社長は、この事業をいくらで売却したいと考えていますか?」
「はい、8億円です。」
「8億円・・・、それはなぜですか?」
「いま、当社には、借入金が8億円あります。
この借金を帳消しにしたいんです。」
「しかし、ざっと見たところ、8億円は高いですね~」
「やはり、そうですか。実は、先方の社長から、
内々に、金額の提示がありまして・・・」
「いくらでしたか?」
「はい、5億円です。根拠は分かりませんけどね。」
「あぁ、そうなんですか。
通常は、交渉のことを考えて、一番低い金額を提示してきます。
当社が、あわよくばという金額を提示したのと同じように。
だから、これから、まずは基本合意書を交わすためにも、
もう一度、当社としての事業価値を根拠とともに示す必要があります。」
「でも、どうやって示していけばよいのでしょうか?」
ということで、金額提示の資料作りからスタートしたのです。
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