事業を売却します④
近畿地方で製造業を営む(株)山川の社長から
事業譲渡の相談が入りました。
事業を売却先の(株)森村との間で、
基本合意書を結ぶ前段階に、
こちらの希望金額の根拠づくりを行います。
月商、原価、販管費など、
明らかに予想粗利益、予想営業利益が
(株)山川に有利なように根拠を組み立てました。
そのうえで、のれん代として、
将来獲得できるキャッシュフローの5年分を上乗せしました。
もともとは、
(株)山川の希望金額 8億円
これに対して、
(株)森村の提示金額 5億円
でした。
それを受けて、(株)山川では売却金額の資料を作成し、
『7億円』という試算を行いました。
もちろん、なぜ、7億円になるのか、というのは、
A4用紙2枚ほどにして、簡単ですがまとめたのです。
そして、それを相手先である(株)森村に持参することにしました。
もともと、依頼者である山川社長自身、
8億円というのは、ムシが良すぎる金額だという自覚はあります。
6億円でまとまれば御の字、
という考えでいたのです。
しかし、最初からいきなり「6億円で」となれば、
そこから契約金額が下がっていくしかありません。
なので、“7億円”という金額で、
改めて提示したのです。
「社長、これで資料は整いました。
もう1つ、オーナー企業同士のM&Aで
とても大切なことがあります。
これを頭の片隅に入れて、交渉してください。」
何ですか、それは?
(つづく)
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