「経営者保証に関するガイドライン」運用開始から5年 ②
平成26年2月1日、
「経営者保証に関するガイドライン」運用が、
金融庁主導のもと、始まりました。
それから、はや5年を経過しました。しかし、
「経営者の個人保証に頼る融資をしてはならない!」
と金融庁が示しても、銀行は今も平気で、
個人保証を要求しているのです。
②アンケートによる実態調査が動き出した
ある経営者より、
「経営者保証ガイドラインについてのアンケートが届きました!」
との連絡いただきました。
そこには、20もの設問が用意されています。
送り主は、中小企業基盤整備機構です。
金融庁からの委託を受けて、調査業務を行っているのでしょう。
「『経営者保証に関するガイドライン』という名称を聞いたこと・
見たことはありますか?」
という設問で始まります。そして、
「現在、個人保証を提供していますか」
「金融機関からの説明を受けましたか」
等とつづきます。
「ガイドラインの内容で、ご存知のものを選んでください。」
の項目では、
「新規融資時に個人保証なしで融資を受けれる」
「既存融資も個人保証を解除することができる」
「事業承継時に前経営者の個人保証を継承しなくてもよい」
などの内容が記載されています。
経営者がこの内容を読み、理解することで、
個人保証に頼らない融資をもっと推し進める、
という狙いが見えてきます。
個人保証なし・解除の申し出を行った方への、
「その結果、どうなりましたか?」という質問もあります。
その選択肢には、
「解除されず、その理由の説明もなかった。」
というものもあります。
前回書いたとおり、個人保証なしの融資は、
まだ全体の約2割程度です。
8割は個人保証を提供しています。
その結果、家・財産を奪われ、家族が離散し、
自殺者まで出る、という悲劇が実際におこっているのです。
株式会社は有限責任のはずです。
なのに、個人保証を提供することで、
ほとんど無限責任の状況に、8割の経営者が陥っているのです。
そのことに、金融庁は危機感を抱いているのです。
だから、今回のようなアンケート調査を行っているのです。
どのような結果が公表されるのか、気になるところです。
その結果もまた、銀行交渉の武器になるはずですから。
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