まだはもうなり②
90歳の現役社長を母に持つ、
65歳の女性からのご相談です。
お母さまが、自社株の30%を持ち、
かつ、株価が高いとのことでした。
役員退職金を出しても間に合わないため、
種類株を活用することで、対策をとろうということになりました。
そう考えたのも、つかの間、
つい先日、お母さまが風邪をこじらせ肺炎になったとのこと。
病院の先生の所見によると、
2週間から3週間ほどしか持たない見込みです。
ここまで高齢になると、
ちょっとしたことが命とりになってしまいます。
心配になった依頼者から、
『あのー、すみません。
確か種類株って時間がかかるんでしたね?
10日くらいで、どうにかなりませんか?』
さすがに10日では、種類株はできません。
どんなに短くても、1カ月はかかります。
『種類株には、定款変更をして、
それを法務局に申請して、承認してもらう必要があります。
これに時間がかかるんです。
先に、幹部の方に普通株式のまま譲渡して、
あとから、その普通株を無議決権にする、
という方法もあるにはありますが、
いざというときのことを考えると、お勧めはできません。』
結局、この女性は、この対策をあきらめ、
次の対策を考えることになりました。
『なぜ、もっと早く対策をしなかったのでしょうか・・・』
と、振り返っても、もう遅かったのです。
“まだ大丈夫”は、“もう危ない”なのです。
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