事業を売却します①
近畿地方で製造業を営む(株)山川の社長から
相談が入りました。
『実は、取引先の(株)森村との間で、
M&Aを考えています。
といっても、株式を譲るということではなく、
工場や人材などの一事業を売却する、という話です』
(株)山川の山川社長は、現在2代目です。
現在の製造工場は、前社長である創業者の時代に建設、
建設当初こそ安定的に稼働していましたが、
現在は、稼働率も落ち、収益を生み出すことが難しくなっています。
おまけに業界の将来の見通しは、さらに厳しく、
まさに斜陽産業といえます。
その一方で、工場建設のための借入金が、
いまもなお、(株)山川の財務を圧迫しています。
『社長、取引先の(株)森村という会社は、
どんな会社でしょうか?』
『はい、これは、当社の下請先です。
当社が、営業で獲得した仕事で、内容によっては、
いくつかの下請業者に仕事を振るのですが、そのうちの1社です。
この(株)森村という会社も、歴史は当社と同じくらいです。
当社は、エンドユーザーから直接受注、
(株)森村は、当社のような会社から仕事をもらっており、
エンドユーザーとの直接的な結びつきはありません。』
(株)山川の山川社長は、アイデアマンで、
商品の企画開発に長けています。
今後は、いわゆるファブレスメーカーとして、
また、新規事業への進出をもくろんでいます。
(株)山川の財務体質は、借金体質、
この話はまさに、渡りに船、だったのです。
『社長、良い話じゃないですか。
前向きに話を進めていきましょう』
こうして、事業譲渡に向けて、動き始めたのです。
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