人に頼らず機械設備の充実を図る
どこもかしこも「人員が足らない」と叫ぶのですが、
「えっ、おたくは設備産業ですから、
むやみに人を増やしてはダメですよ。」
ということがあるのです。
あるメーカーで、
工場の社員が数名退職することになりました。
「このままだと現場を回すのが大変です!」と言うのです。
しかしよく聞くと、
機械自体が古く、慣れた社員でないとうまく稼働させれない、
と言うのです。
「そんな古い機械を使わずに、買い換えたらいいじゃないですか。」
「そう簡単におっしゃいますけれど、新しい機械は高いんですよ…。」
「高くてもそれで人を減らせるし、熟練も必要ないなら、
そのほうがいいじゃないですか。
それにうちの財務体質なら、必要資金も好条件で調達できるし、
返済能力も十分ありますよ。」
とのことで、ようやく、人を増やさず、
機械設備のレベルアップで乗り切る方向へと、動いたのです。
その会社では今、人材を補充せず、
まずは人員の自然減に対応できる生産性を構築する、
という考え方に、皆が動いています。
自然減は必ず起こります。
少なくとも、その人員減に対応できれば、生産性は自ずと上がるのです。
しかも今ならあと2年間は、機械設備の購入に対しては、
全額即時償却の制度を活用できます。
減価償却費が増えて、より多くのキャッシュを残すことができます。
願ったり叶ったり、なのです。
メーカーや設備産業の場合、人に頼らない方向に、
舵を切りやすい業種です。
なのに、今のやり方を変えることを考えないと、
「人が減ったから補充しないといけない!」
となるのです。
まずは自社が、それだけの人員を必要とする業種なのか、
設備やシステムの増強で乗り切れる業種なのか、
よく考えてほしいのです。
設備やシステムで人員不足を乗り切れるなら、
今時こんなにありがたいことはありません。
不足しているものを獲得するのは、中小企業にとって大変です。
カネ不足時代の資金調達と同じです。
業種を見極め、中小企業としての戦い方で、挑んでほしいのです。
(古山喜章)
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