キャッシュを増やす⑦
使えるお金を、いかに増やすか?
はどの会社にとっても、共通のテーマです。
これをキャッシュフロー経営ともいいます。
キャッシュフローをよくするには、
『回収は早く、支払いは遅く』です。
近畿地方の製造卸売業である、川海産業で、
A社グループに対する売掛金のサイト交渉を行いました。
一通り挨拶を交わしたあとに、私から担当者に、このように伝えました。
「実は、このサイト短縮の交渉は、私からお願いしたものです。
A社さんのような超巨大企業と違って、川海産業は、中小企業です。
顧問の税理士である私が言うのも、何ですが、
川海産業なんて、“吹けば飛ぶような会社”なんです。
こういう吹けば飛ぶような会社にとって、
一番大切なのは、資金繰りなんです。
吹けば飛ぶなんて言えば、川海産業の方々に怒られますけどね。」
川海産業は自己資本比率70%、ROAも10%以上あり、
“吹けば飛ぶ”ことはありませんが、これは、交渉用のトークです。
すると、私の隣で聞いていた、川海産業の取締役が・・・
「私どもは、“吹けば飛ぶのではなくて、吹かなくても飛ぶ会社”ですよ!」
こちらも、先方も笑いが起きましたが、
ここからは、また真面目に交渉します。
「新聞等をご覧いただくとお分かりのように、
昨今は、どの業界でも、優秀な人材、優秀な業者を確保するために、
カネ払いをよく(=支払いを早く)するようになってきています。
実は、川海産業の仕入は、
月末で締めて翌月末には支払っています。
当然、回収は遅く、支払いは早い状態ですので、
弊社の窮状はお分かりいただけると思います。」
一通り交渉を行ったあとに、担当者から次のように言われました。
「この案件を、上に通すために、
どのように話を持っていったらよいでしょうか?」
今度は、逆に質問されてしまいましたが、
ここまで来れば、こちらのペースです。
「1つは、時代の流れ
1つは、コンプライアンス(法令遵守)
こう言われてはいかがでしょうか?」
それから1カ月もたたないうちに、
こちらの希望通り(サイト3カ月)に短縮されたのです。
(福岡雄吉郎)
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